水ぼうそうは、1年中みられる感染症ですが、特に冬から春にかけて多いといわれています。かかってしまった場合は、どんなことに気をつけていけばよいのか迷われる親御さんも多いことでしょう。そこで今回は、水ぼうそうについてお話していきます。
「水ぼうそう」ってなに?
水ぼうそうは水痘ともいわれています。かゆみの強い水疱(すいほう)[水ぶくれ]ができ、とても感染力が強く、保育園や幼稚園などで一気に広がります。症状は軽い場合も多いですが、症状が重くなる場合もあります。かかりやすいのは10歳以下といわれ、赤ちゃんはもちろんのこと大人でもかかることがあります。 水ぼうそうは予防接種があり、生ワクチンで定期接種になっていて、1回目の接種は生後12-15か月の間、2回目の接種は1回目の接種から3か月以上あけます。日本では4歳以下で水ぼうそうにかかることが多いため、2歳までに2回目の接種を行うことが望ましいとされています。
水ぼうそうの症状や特徴は?
水ぼうそうは、かゆみが強い水ぶくれができます。潜伏期間は平均14~16日(10日未満や21日程度になる場合もある)と言われています。1日くらいの微熱があった後、赤い小さな発疹の症状が出始めます。高い熱も2~5日間続きます。
発疹はどうなっていく?
発疹は以下の経過をたどります。
紅斑(こうはん)赤いブツブツ
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丘疹(きゅうしん)少し盛り上がる
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水疱(水ぶくれ)
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痂皮(かさぶた)
厚生労働省のHPによると、水ぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。鼻や喉の分泌物や、水ぶくれがつぶれて飛んだウイルスを吸い込む空気感染、飛沫感染、肌の触れ合いなどの接触感染により広がり、その潜伏期間は感染から2週間程度と言われています。発疹の発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされています。
治療は通常であれば痒みに対して行われて、痒みが強い場合に痒みを抑える塗り薬や飲み薬処方されます。抵抗力が弱い人でなければ、自然に治ることがほとんどですが、診断された後にぐったりするなど体調に変化があれば再度受診するようにしましょう。体の抵抗力が弱い人、症状が重い人にはウイルスに対する内服薬や点滴をすることがあります。
引用参考サイト:水痘とはどんな病気ですか?|厚生労働省
観察が大事!水ぼうそうをケアする際の注意点とは?
水ぼうそうを発症した際には、その後の経過観察が大切になります。
主な注意点をあげているので、参考にしてくださいね。
①発疹の状態をよく見ましょう
水ぼうそうでできる発疹は、強いかゆみを伴います。発疹の状態や状態の変化をよく見ましょう。また、かさぶたになるまで感染力があるので注意しましょう。
②熱を測り、全身の状態もチェック
発熱が伴わない場合もありますが、熱がある場合には、朝・昼・夕と1日3回熱を測り、熱だけでなく、前回測定した時からの熱の上がり方[急に上がってきた、夕方~夜になると高熱が出る、など]にも注意してみましょう。
発疹の状態、体温、顔色、機嫌、おしっこの量・色、食欲など全身の状態もチェックすることがポイントです。
口の中にも発疹がでるため、授乳を嫌がったり、食欲が落ちることがあります。離乳食が進んでいても、お粥など水分量が多い前の段階に戻すなど工夫してみましょう。
③水分補給に気をつける
おしっこの量が少なく、色が濃いときには水分が不足しているサインです。水分を多めに与えるように心がけて下さい。熱が高い時は脱水症状にならないよう、こまめに授乳したり、まめに水分を与えましょう。
④水ぶくれをつぶさないようにしましょう
水ぼうそうはかゆみが強いため、掻かないように注意しましょう。かゆみを我慢できないこともあるので、つめを丸く切り清潔にしておくのがおすすめです。どうしても掻いてしまうときは、薄めに包帯を巻いたり、大きめの長袖のTシャツを着せたり、赤ちゃんなら手袋をするなど工夫してみましょう。
⑤安静を保ちましょう
なるべく室内で静かに過ごすことが大切ですが、無理に寝かせなくても大丈夫です。抱っこや添い寝で、静かに休めるようにしてあげましょう。
⑥部屋の環境に気をつけましょう
室温は暑すぎたり、寒すぎたりしないようにしましょう。熱があるからと部屋を暖めすぎると室内が乾燥し、余計に辛くなることもあります。部屋の湿度にも注意しましょう。
外出はいつからOK?
発疹がひいてきたからといって、園に子どもを登園させるのはNGです。発疹がすべてかさぶたになるまでは感染する可能性があるため、外出するのは避けましょう。学校保健安全法及び保育所における感染症対策ガイドラインにより、すべての発疹がかさぶたになるまでは出席停止となります。登園・登校時に、治癒証明書等の提出が必要になる場合が多いので、保育園や学校等に確認し、かかりつけ医に相談しましょう。
まとめ
水ぼうそうは、とても感染力が強い病気です。 受診時は、事前に「水ぼうそうかもしれないのですが…」と病院へ電話をするようにすると良いでしょう。
参考サイト:東京都福祉保健局 東京都こども医療ガイド|水ぼうそう(水痘)