更年期の急激な筋力不足=運動不足が大前提
更年期に入ると筋力が低下しやすくなりますが、みんながみんな急激に筋力が低下するわけではないと駒形先生は言います。
「女性ホルモンのエストロゲンには筋肉の再生機能もあるのですが、エストロゲンが減ることで筋肉の再生が鈍く、遅くなります。 例えば、今までと同じ生活をしていて筋力が“1”衰えていたのが、更年期になると“5”衰えるイメージ ですね。
しかし、筋力低下の根本原因は筋肉を使わないこと、つまり運動不足にあります。 20代、30代のころから継続的に運動している人は、更年期になって急に筋力が落ちるということは少ないですが、危険なのは、運動習慣がない人。それまで筋力アップを心がけた生活をしていない人は更年期に入ると急激に筋力が低下してしまいます。 つまり、これまでと同じ生活をしていればどんどん筋力は低下していく一方になります」(駒形先生)。
筋力不足は疲れ、肥満、肩凝りの原因に
筋力不足というと、歩くのがおっくう、階段を上ると息があがるなどのイメージがありますが、それだけではないそうです。筋力不足が引き起こす症状について駒形先生に教えていただきました。
疲れや不眠、落ち込み
「更年期になると子宮の機能が落ちることで下半身への血流が滞りがちになります。それに加えて下半身の筋力がもともとないと、上半身に血流が集中してしまいます。頭に血が上ってしまうと頭が休まらず、疲れが取れない、眠れないといった症状を引き起こすことがあります。
疲れや不安が取れないと、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンも脳から分泌されず、常にストレスを抱えた状態に陥ることもあります」(駒形先生)。
肥満やむくみ
「筋肉は体を動かし、安定させる働きだけでなく、熱をつくり、代謝を上げるという大事な役割もあります。 筋肉が多いと、熱の発生量(いわゆる基礎代謝)が増えるため、代謝が上がって肥満予防につながります。 逆に言うと、冷えているところは筋肉が活動していないため脂肪がつきやすいのです。
また、脚のむくみは下半身の筋肉が衰えてリンパの流れが滞り、老廃物が下半身にたまりやすくなっているため起こります」(駒形先生)。
肩凝り・腰痛
「骨を支えているのは筋肉です。肩や首、腰の筋肉が衰えて支えることができなくなってくると負担が増えて、痛みにつながっていきます。痛みが気になって運動をしないでいると、さらに筋肉が落ちていき、痛みが悪化することになってしまいます」(駒形先生)
とにかく筋肉を動かして!
運動不足は万病のもと……と言いたくなるような状況です。これはすぐに運動しないと、と焦りますが、気負う必要はないと駒形先生は言います。
「運動不足を解消しようと張り切って、急に激しい運動をおこなうと筋肉痛になって動けなくなってしまいます。まずは使っていない筋肉を動かすことを意識してみてほしいですね。
特に、更年期に衰えやすい下半身はしっかり動かしてほしいですね。下半身の筋力をアップすることで血流の配分バランスが整えられ、頭がスッキリする効果があります。肩凝りや腰痛がある人は、痛みがないときに無理のない範囲で動かす意識をしてみてください」(駒形先生)。
駒形先生おすすめのエクササイズは、“プランク”。うつ伏せになった状態で前腕と肘、そしてつま先を地面につき、その姿勢をキープするシンプルなエクササイズです。
1. 両肘を床につけ、うつ伏せになる
2. 腰を浮かせ、背筋を真っすぐに伸ばす
3. 頭、背中、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする
1日1回30秒くらいからスタートして、少しずつ増やすと体幹や下半身を鍛える効果があるそうです。姿勢はイラストを参考にしてみてください!
まとめ
おすすめのエクササイズを紹介しましたが、まずは筋肉を動かすことから始めると良いそうです。そして、毎日続けること。運動が嫌いなんて言ってられません。毎日こつこつ、筋肉を動かしてあげましょう!
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。