連絡が返せなかっただけで
彼は連絡が非常にマメで、お付き合いをすることになってからは、毎日「かわいい」「きれいだね」「好きだよ」「愛してる」などメッセージを送ってくれました。そのため、私自身も気をよくしていたのですが、時々まったく連絡が取れなくなることがあったのです。
私も仕事やプライベートで連絡がすぐできないときがあるので、連絡ができないことについては一定の理解はありました。しかし、私が同じことをすると彼からの連絡や不在着信が何十件も届くように。
その内容は私の浮気を疑うものや、「もう俺のこと嫌いなの?」などというネガティブなものばかり。ほんの数時間返信できなかっただけなのですが、これが何度か続いて……。ついには「結婚して毎日一緒にいないと不安だから、すぐ結婚しよう」という連絡が。
ただ、このとき付き合っていたのに私は彼の家を知りませんでした。そのことを追及すると「俺を疑ってるの? 信用できないの? 本当は好きじゃないんだね」と、拗ねてしまい話にならなくなります。
しかし、このときはそんな拗ねたり不安になる彼のことをかわいく思っていた私。「彼を不安にさせないように」と結婚を前提に関係を築いていこうと考えていました。
家族も友だちも捨てられるだろ?
けれども、彼は「今すぐ結婚したい」と毎日のように言うくせに、一向に結婚に向けた行動が見られませんでした。話を進めようと、互いの家族や友だちに紹介しようとしても彼はとても嫌がるのです。なぜできないのか理由を問うと、「俺の気持ちを信じてないの? 本当に結婚したいと思っているのに。わかってくれないんだね」とまた拗ねてしまって、話になりません。
しまいには「自分だけを見て、自分だけに時間を使ってほしいから」と、私の交友関係を嫌がるようになりました。私が実家へ帰ることも、私の親に会うことも嫌がるのに、今すぐ結婚はしたいという矛盾が生じている状態でした。
挙句の果てに、「ほかの人なんて関係ないし必要ない、俺はお前だけがいてくれればいい。俺は家族も友だちも捨てられる。お前も俺が好きならできるでしょ? 2人だけで生きていけたらいいでしょ?」とトンデモ発言が飛び出す始末で……。
目が覚めた瞬間
このとき私は、彼よりも長く愛情深く過ごした家族や友人を、彼と天秤にかけることなど絶対にできないと悟りました。そして、これまで私を大切にして愛してくれた人たちも、彼のような強要をすることは絶対にありません。
そうして私は目が覚めたのです。私の中の彼への思いは急激に冷め、意外なことに彼とはすんなり別れることができました。別れるというより自然消滅です。極端に私の交友関係を絶たせようとしたり、自分のプライベートを明かさず、疑われると逆上するので、何か理由があるのではと考え、「結婚をするにあたり、両親があなたの身辺調査をしている」と伝えたところ、すぐに音信不通となり消えてしまったのです。
後に友人から確認したのですが、彼は妻子持ちの既婚者だったそうです。聞いていた勤務先も、出身校もまったくのデタラメ。知らなかったとはいえ、最悪の気持ちになりました。ただ、束縛や執着を「自分が必要とされているのだ」と勘違いしてドロ沼に落ちてしまうところだったので、本当に結婚しなくて良かったです。たとえ結婚していても、幸せにはなれなかったのではと思っています。
著者/天木 みみ
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