更年期になると「老けバスト」が加速する理由
閉経すると乳腺の衰えとともに縮みがち
バストは肋骨と大胸筋の上にのっています。バストの中身は乳腺と脂肪組織で、バストを支えるクーパー靭帯(コラーゲン組織)と皮膚によって位置がキープされています。乳腺は女性ホルモンにより発達し、乳腺や脂肪に栄養を届けているのが血液。バストは手指と同じように末端にありますから、血行が悪いと栄養が十分に行き届かなくなります。
また女性ホルモンは自律神経と同じ脳の視床下部でコントロールされていることから、互いは影響し合っています。更年期になると女性ホルモンが低下し、これまでのように排卵できないことから脳が混乱。自律神経に乱れが生じ、血行不良やターンオーバーの乱れ、筋肉や血管の収縮と言った不調が生じ、バストが「縮む」「かたくなる」「下がる」といった状態になることも。
さらに閉経すると乳腺が衰えて細くなり、バストサイズがダウンする人もいます。ただ更年期太りによって脂肪が増え、アンダーバストと共にバストサイズが上がる、という場合もあります。
理想的なバストは「温かくて血流の良いバスト」
40~50代にとっての理想のバストとはどういったものでしょうか? 先ほどもお伝えしたように、バストは自律神経や血行の状態を表す「健康のバロメーター」。つまり、血流が良くて触ったときに温かいバストが理想的といえます。
血液が巡るようになれば自律神経や女性ホルモンのバランスも整ってきます。バストにハリが出て、自然とサイズアップもかなうように。つまり現在、老けバストであっても生活習慣を見直すことで若返りすることは可能だということです。
まずはバスト年齢が老けていないか触ってみてください。温かく、7~8分目まで水を入れた水風船ぐらいのやわらかさがあれば「元気バスト」といえます。このとき、鎖骨からバストの膨らみに至るデコルテ部分が土砂崩れしておらず、なだらかに盛り上がっていることも大切なポイントです。当てはまっていない場合は「老けバスト」の可能性があります。次章でチェックしてみましょう。
「老けバスト」チェック!
40代~50代に多い「老けバスト」は次の4つ。1つでもチェックが付けば黄色信号、2つ以上で赤信号です。
「下がりバスト」タイプ
□ 乳頭の位置が肩と肘の中間よりも下にある
□ デコルテが痩せていて骨が出ている
□ 胸が大きい(40歳以上はCカップ以上)
□ 授乳経験がある
〇ワンポイントアドバイス
授乳経験がある人、バストが大きい人は、クーパー靭帯や皮膚が伸びてしまうため胸が下がってしまいます。皮膚にハリを出すべく保湿ケアをしつつ、しっかりバストを支えてくれるブラジャーを使用しましょう。
「縮みバスト」タイプ
□ 以前よりもブラジャーのサイズが小さくなった
□ 胸のやわらかさがなく、かたい
□ 耳たぶやふくらはぎが人よりかたい
□ 冷え性。または肩凝りがひどい
□ 胃腸が弱い
〇ワンポイントアドバイス
血行不良の影響を顕著に受けているのがこのタイプ。バストは体の末端部分なので、血行が悪いと栄養が行き届かず脂肪組織が収縮し、「縮みバスト」になります。腹巻きやレッグウォーマーなどを活用して冷えない工夫をしてください。
「乳腺委縮バスト」タイプ
□ 閉経している
□ 触ったときにバストの前側がかたい
□ バストにハリがない
□ 以前よりも乳輪が小さくなった
□ 乳頭が乾燥する
〇ワンポイントアドバイス
女性ホルモンの低下により乳腺が収縮し、バストが縮んでいる状態です。自律神経のバランスを整え、ホルモンの分泌を妨げないようにしましょう。更年期は交感神経が優位になりやすいので、睡眠を取る、ゆっくり湯船につかるなどリラックスできる工夫を。筋トレなどではなく、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。
「ゆがみバスト」タイプ
□ バストの形やバランスが崩れて変形している
□ ブラを外すと肩やアンダーバストに跡がくっきりついている
□ 「寄せて上げるブラ」や補正下着を使っていたことがある
□ 左右の肩凝り具合が異なる
□ 乳頭の色が黒ずんでいる(色素沈着がある)
〇ワンポイントアドバイス
脇や背中の肉をブラジャーに押し込み、強引に形をつくるとバストの形が不自然になります。締め付けの強いことも血行不良の原因に。適正なサイズのブラジャーを着用しましょう。
まとめ
バストの若返りの3大ポイントは自律神経のバランス、血行、サイズに合ったブラジャー。特に見た目の変化ではブラジャーの着用が大いに効果的です。正木民子先生の知人の50代女性は、10年ぶりのブラジャー着用でしばらく止まっていた生理が訪れたのだとか! たかがブラ、されどブラ。バストの神秘性を感じました。
<著書>
『日本初のバストアップ鍼灸師の 「胸」からきれいに変わる自律神経セラピー』
正木民子/著 青春出版社 1,650円
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!
取材・文/中澤夕美恵
出版社、編集プロダクションを経てフリーになって約20年。スポーツジム通いに目覚め、せっせと運動に励むものの1年で1kgしか減量しておらず、ズッコケる。いつか痩せると信じて今日もジムへ…。