チェコで体験した初出産。何もかも初めてで苦労もいっぱいでしたが、すべて今の子育てに役立っています。私の初めての出産体験談を紹介します。
出産は通っていた産婦人科とは違う病院で、違う先生と
チェコでは一般的に、出産は妊娠中に通っていた産婦人科とは別の大きな病院でします。すべての検査結果はカルテに記載されていて、妊娠中の経過は引き継がれているのですが、初めて会う先生たちの中で出産するのです。
最初は戸惑い、私のことや赤ちゃんのことを本当に分かってくれているの?と心配しました。それでも仕方がないとあきらめ、出産予定日の1カ月ほど前に病院に予約を入れ、陣痛が来てから入院、そして出産となりました。
母子同室の大部屋で感じたことは苦労と感謝
チェコでは、母子同室の大部屋が一般的です。長男は無事に生まれましたが、全然泣き止まず、部屋で寝ているほかの赤ちゃんを起こしてはいけないとあせりました。必死でおっぱいをくわえさせてあやしましたが、それでもダメなときは、部屋を出て廊下であやしました。さすがに産後の体ではつらいと感じました。
それでも、大部屋だったことで助かったこともありました。私が貧血で意識を失って倒れそうになったとき、隣のママがすべり込みで私をキャッチしてくれたことがあったのです。そのときのママには感謝の気持ちでいっぱいで、同時に大部屋でよかったと感じました。
ちょっと厳しい助産師さんのおかげで不安が解消
必死で息子をあやしていた私ですが、おっぱいをあげても息子は泣き止みません。そこで助産師さんにミルクを頼むと、「がんばっているの?」と聞かれました。おっぱいが足りないようだと言うと、「2時間ひとりで寝ておいで」と言われ、息子と離れ離れに。助産師さんに対して、ちょっと厳しいなという印象を持ちました。
生まれた日からずっと一緒だった息子を取り上げられ……というと大袈裟ですが、当時の私にはそう感じたんです。ところが、言われた通り休んでから授乳すると、「おっぱいは出ている。ミルクを与えず、とにかくおっぱいを吸わせて」と助産師さん。どうして泣き止まないのか、おっぱいは出ているのかと不安だった私は、助産師さんのおかげで安心することができました。
同室のママが助けてくれたり、助産師さんのご指導で授乳に自信が付いたりと、厳しさだけでなく、やさしさもたくさんいただいた入院生活でした。また、長男で苦労した分、次男のときは余裕のある入院生活を過ごすことができました。今は自分の息子たちに、あの助産師さんのように、厳しくもやさしく育児をしています。
著者:シュストルじゅんこ
二児の母。海外で結婚し、2人の男の子を妊娠・出産。異文化を楽しみながら子育てをしている。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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