娘の発言で気付かされた「幸せ」とは
妊娠中にダウン症候群の兆候はなく、出産して次男の顔を見た瞬間にわかりました。次男は出生後すぐにNICU(新生児集中治療室)に入院となり、生後1カ月過ぎまでは病院で過ごすことに。
当時中学2年生だった長女は、次男の誕生をとても楽しみにしていました。私は長女に、「〇〇(次男)ね、検査の結果、ダウン症だったよ……。かわいそうだよね。『何で〇〇が?』って、ママは思っちゃって……」と正直な気持ちを伝えたのです。
すると長女は「そうなんだ。正直、ショック。でも、生まれてきてくれてうれしいよ」と答え、続けて私にこう言ったのです。
「ねぇママ。障害があるって、かわいそうなの? 昔、私が小さいときに脳性麻痺の従兄弟のことを『歩けなくてかわいそう』って言ったら、ママは『歩けること=幸せ、というわけじゃないよ。その人が幸せかどうかは、その人にしかわからないんだからね』って言ったのを覚えてる? だから、◯◯(次男)はかわいそうなんかじゃないんだよ」
私が10年前に伝えた言葉を、しっかりと覚えてくれていた長女。私自身、そんな会話があったことはすっかり忘れてしまっていましたが、長女が私に伝えてくれたことで、「障害がある=不幸」ではなく、幸せかどうかは次男自身が決めることだと考え直すことができました。
「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
監修/助産師 松田玲子
イラスト/ななぎ
著者:吉川 みきな
14歳女の子と4歳男の子、0歳の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。