本当に切っていいの?と戸惑う店主
理髪店で「ショートヘアにしたいので、ばっさりと切ってください」とお願いすると、40代くらいの男性店主は驚いて、「せっかくのロングヘアなのに、切ってもいいの?」と私に聞きました。
私は、最近子どもが生まれて髪の手入れがなかなかできず、ドライヤーで乾かす時間も十分に取れないこと、髪の毛を子どもに引っ張られて痛いこと、髪が長いと抜け毛の掃除も大変なことを伝えました。
店主は納得し、「じゃあ、きれいに見える感じで、なるべく短く切るね」と言ってくれたのです。
店主がぽつりと呟いた、ママたちへのエール
黙々と髪を切られ、ロングヘアだった私はすっかりショートヘアになりました。
そして会計時、店主がぽつりとこう呟いたのです。
「うちの若い女性客も、子どもが生まれると、みんなショートにするんだよね。子育て中は髪が邪魔だって。することがたくさんあるんだろうね」。
続けて、「本来なら、パパや、周りの人や、国がもっと頑張ってママをラクにしなきゃいけない。世の中のママたちは本当によく頑張っている」と、私を励ますように話してくれました。
店主のやさしい言葉は、初めての育児で疲れた私にはうれしくてたまらない言葉でした。また、「世のママたちを温かい目で見守り、陰ながら味方をしてくれる人もいるんだ。ママたちの頑張りを認めてくれる人たちがいるんだ」と元気をもらいました。
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著者:長谷川 なぎ
4回の体外受精の末に男女の双子を授かった、2児の母。営業事務やコールセンターのオペレーター、イベントスタッフ、工場ワークや物流会社での肉体労働など、学生時代からさまざまな職種を経験。現在は、多彩なジャンルでライターとして活動中。
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