「…何の日でしたっけ？」夫から突然、花束を手渡されたワケは？

 

夫はお付き合いをしていたときから記念日を大切にしてくれていて、お祝いごとを欠かしません。付き合って1カ月の記念日にはサプライズで手紙を書いてくれたり、1年目には思い出の写真をまとめたアルバムをプレゼントしてくれたりしてくれました。

 

そんな夫の心づかいに、毎回あたたかい気持ちにさせられるのと同時に、「なんてマメな人なんだ」と感心させられていた私。一方の私は、仲はいいけれど結婚記念日などはお祝いをしない両親のもとで育ったこともあり、記念日に関して無頓着で……。

 

毎回、記念日だねと言われて「そうだよね！」 と、もちろん覚えていますよというふりをしていました。

 

それから結婚して一緒に住みはじめたある日、いつも通り会社から帰宅した夫を玄関で出迎えると、夫の手には花束が！ しかし、私は何の日かまったく見当がつきません。

 

今思えば、私が記念日を忘れていても怒ったことがない夫なので正直に話せば良かったのですが、そのときの私は記念日を忘れていたと思われては気まずいと「きれいだねー！」 と当たり障りのないことを言って必死で誤魔化してしまいました。

 

すると笑顔の夫から「結婚して半年だからプレゼントだよ」 との言葉が。

 

そんな日までお祝いのプレゼントを用意してくれるなんて！ と感激しつつも変なことを言わなくて良かったとホッとしたのを覚えています。

結婚して8年が経った今では、さすがの夫も半年ごとのサプライズプレゼントはしなくなりました。しかし、結婚記念日にはご馳走やケーキを用意して家族でお祝いし、花束もプレゼントしてくれます。

 

そして毎月の付き合った日は「いつもありがとう」と言い合う日に。

 

夫が記念日を大切にしてくれる人でないと、きっとこの習慣はなかったと思います。特別なプレゼントやご馳走はなくても、この人と結婚できて良かったなと改めて感じる瞬間です。毎月そんなきっかけをくれる夫と毎月のこの日をこれからも大切にしていきたいです。

 

 

大切にしたいとは言いつつ、家事や育児に追われてつい忘れがちになる毎月の記念日。しかし、そんな私に文句を言うこともなく夫は毎月「今日は付き合った日だね、いつもありがとう」と声をかけてくれます。

 

普段はなかなか声に出して言いづらい感謝や愛情表現もそのタイミングで素直に言えるので、とてもありがたいなと思っています。そして今月こそは、私から夫に声をかけたいです。

 

著者／大岡むぎ
イラスト／赤身まぐろ