家事は一切しない夫
夫は家事を一切しない人です。義母も専業主婦で、実家にいたときもすべての家事は義母がしていました。
夫はひとり暮らしの経験もなかったので家事をする機会もなかったのでしょう。そして仕事は残業が多く帰ってくるのも遅かったので、結婚後も家事はすべて私任せという状況でした。
入院で2週間家をあけると…
そんなある日、私が胃腸の病気で手術が必要になり、2週間ほど入院することになってしまいました。これまで料理も掃除も洗濯もなにも経験がない夫に留守を守ってもらうのはとても心配です。掃除は2週間くらいできなくてもなんとかなりますが、食事は? 洗濯は? と私は大慌て。
しかし、当の本人は「食事はどうにかなるし、洗濯は洗濯機の使い方さえわかれば大丈夫」と特に不安がる様子もありません。
そして退院後、「どれだけ散らかっているのだろう」と恐る恐る部屋に入った私は、驚きました。
部屋はとても片付いた状態だったのです。食器もしっかり洗われていて、洗濯物も少し無造作ですが畳んであります。
私がいなくてもこれくらいはできるのだなあ、と感心しながら最後にバスルームをのぞくとびっくり! なんと、カビや水垢がすっかり取れていてむしろ入院前よりきれいになっているではありませんか。まるで新築の家のバスルームのようで、思わず私は「掃除屋さんに頼んだの?」と聞いてしまいました。
夫の意外な一面を知り?
どうやら夫は、私の入院中はやることがなくヒマで、お風呂掃除を始めたそう。バスルームの床を磨いていたら汚れがきれいになるのが楽しくて、すべての汚れをすっきりしたくなったといいます。そして、洗剤を買い込み、半日かけてお風呂掃除をしたのだとか。
その話を聞き、彼がまだ実家に住んでいたころ、部屋の一角だけは非常にきれいにしていたことを思い出しました。夫は掃除をしだすと、完璧なまでにきれいにする性格だったのです。ただし一点集中というのが特徴です。
それからも夫には大掃除の際、一カ所だけ掃除をお願いすることにしています。複数カ所の掃除をお願いするとやる気をなくしますが、一カ所だけだととても張り切ってきれいにしてくれます。内心、この調子で料理などにも挑戦してくれないかな、と期待をしている今日このごろです。
結婚生活が長くなると、相手のすべてを知っているつもりになっていましたが、私の入院という初めての出来事をきっかけに、夫の意外な一面を知ることができました。これからもこんなうれしい発見があるといいなと思います。
著者/山崎聖美
イラスト/おんたま
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