「子どもは2人ほしい」と思いながらも、2人目を産むことをためらってしまう「2人目の壁」に悩む夫婦をサポートしている団体が「一般財団法人1more Baby応援団」。専務理事の秋山 開(あきやま かい)さんに、「2人目の壁」の背景にあるもの、どのような活動をしているのかをインタビューをしました。
インタビューQ&A
Q.「一般財団法人1more Baby応援団」とはどういった理念のもとに活動をしているのでしょうか?
「本当は子どもが2人以上ほしいにもかかわらず、さまざまな事情からその実現を躊躇されている方を応援し、理想の数だけ子どもを産める社会の実現を目指して活動しています。ただ、子どもは必ず2人持つべきと主張するわけではなく、希望して1人を選択されている方はそれでいいと思います。そうではなく、本当は2人以上子どもがほしいのに実現できない方たちが抱えている問題を『2人目の壁』と定義しています」
Q.設立のきっかけを教えてください
「もともとは2013年にタマホームのCSR活動の一環から始まりました。住宅を提供している会社として、そこに暮らす家族が幸せであるために何ができるかと考えていたときに、『本当は2人以上子どもがほしいのに躊躇している』という声をたくさん聞きまして、『2人目の壁』を解消するための調査などを始めました。ただ、根本的にこの問題を解消しようと思うと、一企業だけの取り組みでは広がりに欠けるため、行政や他企業とも連携し、活動を広げていこうということで、2015年に一般財団法人として独立をしました」
Q.具体的にどういった活動をしているのでしょうか?
「ひとつは『夫婦の出産意識調査』のような調査事業です。『2人目の壁』に悩んでいる方がたくさんいらっしゃるなか、その要因はどういったことなのかを調査し、それを広く社会に知ってもらうために情報発信しています。さらに行政や企業向けにシンポジウムを開催し、2人目の壁を解消するための先進的な取り組みについてお話ししたり、子育てしやすい街に変えていくための事業の企画にも参加しています。
また、実際に『2人目の壁』に悩むご夫婦を対象にした交流会も開催しています。なぜかというと、この問題を乗り越えるには、夫婦で力を合わせることが大事。だけど日々忙しく子育てをしている中で、それを夫婦だけで改まって話し合うのはなかなか難しいんですよね。そんなご夫婦をイベントにお招きして、同じ悩みを持つ方たちと情報交換してもらうことで、解決の糸口が見えてくることもあると考えています。
初開催のときは100組以上のご夫婦が参加してくださり、開催後のアンケートでは2人目の問題について前向きに考えることができたという声をたくさんいただきました」
Q.「2人目の壁」に悩むママやパパにとっては心強い交流会ですね。誰でも参加できるものなのでしょうか?
「もちろん、どなたでもご参加いただけます。開催が決まったものについては『1more Baby応援団』のフェイスブックで告知をしています。随時開催していきますので、興味のある方はフェイスブックをご覧になってみてください」
Q.「2人目の壁」をテーマにした本も出版されていますね?
「これまでに2冊出しています。1冊目は『こども大国ニッポンのつくりかた』という本で、少子化問題がなくなった2030年の日本をイラストを交えてやさしく描いていて、少子化問題の現状とその解決方法のアイデアを分かりやすく書いています。2冊目は『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか』で、こちらはより実用的というか、実際に『2人目の壁』を乗り越えられた方の声をまとめた本になっています」
▲「1more Baby応援団」による「2人目の壁」をテーマにした本。左から、『こども大国ニッポンのつくりかた』(木楽社)『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか』(プレジデント社)
>>後編へ続く