会うたびに声をかけてくる高齢男性
公園では毎朝、高齢の方たちがグラウンドゴルフを楽しんでいました。私が息子と一緒に公園内を歩いていると、グラウンドゴルフをしている方たちが「おはよう! かわいいね~」と声をかけてくださることも。
そんな中、「わしは82歳だ!」と教えてくれた元気のよいおじいさんが、ある日の散歩中、私にこう声をかけてきました。
「こんなに蚊がいるのに、子どもがかわいそうだ」。
続けて、「お母さんがしっかりしなきゃなぁ?」と息子に向かって言うのです。
蚊はいましたが、息子は長袖のトップスに長ズボンを着用、虫よけスプレーで蚊の対策も万全。私は、なんか嫌な気分だな……と思いながら、「そうですよね」と愛想笑い。
それ以降、私たちが公園に行くたび、そのおじいさんは私たちに近づいて来て、「おはよう! 今日も蚊がいるのに……」と言うので、私はうんざり。
ポケットから出したのは……!?
ある日、いつもと同じようにおじいさんが近づいてきたので、「また言われる……!」と身構えましたが、おじいさんは「これ、使い!」と言いました。ポケットから出てきたのは虫よけスプレー。私は戸惑いながらもお礼を伝え受け取ると、おじいさんは何も言わず歩いて行ってしまいました。
「お母さんがしっかりしなきゃ」と言われたとき、嫌な感じだなと思ってしまいましたが、息子のために虫よけスプレーをわざわざ買ってきてくれるとは。おじいさんは嫌みを言ったわけでもなく、ただ心配してくれていたのだと感じました。今でも公園に行くと、元気にあいさつをしてくれます。
著者:下園ひかり/女性・ライター。2019年生まれの娘、2021年生まれの息子、夫との4人暮らし。バックパッカーとして2年間で25カ国を周遊した経験あり。さまざまな国で生活した経験から、常識に捉われない育児を実践中。自身の育児経験をおもしろ話にして情報発信するブロガー兼ライター。
作画:こちょれーと
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています