彼に姿勢を指摘され…
彼氏に猫背を指摘されてから、負けず嫌いの私は姿勢を改善して彼をびっくりさせようと決意しました。まずは肩や背中の筋肉を鍛える必要を感じ、トレーニング動画を見ながら自宅で筋トレを開始。どちらかというとストイックな性格の私は、毎日欠かさずトレーニングを続けました。
ペットボトルを持って腕を上下させたり、背筋を反らせてキープする姿勢を保ったりと、わりときついトレーニングでしたが、彼に猫背を指摘された恥ずかしさと悔しさを思いだすと、力が入ります。きれいな姿勢になる自分をイメージして毎日頑張りました。
姿勢改善トレーニングを開始！
彼とは遠距離恋愛だったので、頻繁にデートできる状況ではありません。お互いの仕事が忙しいときは2カ月ほど会えないこともありました。当時の私は、姿勢改善に必死できれいになってから彼に会いたいという気持ちが強く、しばらく会えなくても寂しさを紛らわせることができました。
日々きついトレーニングをこなしていくにつれ、だんだんと肩と背中に筋肉がついてきたことがわかります。背筋をまっすぐにキープする姿勢もつらくなくなってきたころ、3カ月ぶりに彼と再会。彼に惚れ直してもらえるかな、とうきうきしながら彼を待っていたのですが、やってきた彼は私を見て「どうしたの？！」と驚いています。
久々に再開した彼が私を見て…？
そして「なんだか会わない間に、水泳選手みたいな体型になったね。ごつくなったんじゃない？」と言われました。私はショックで言葉を返せません。トレーニングをしていたことは彼に内緒にしていたのですが、まさかこんな反応をされるとは思ってもいませんでした。
悲しい気持ちで「猫背だと言われたから、姿勢を治したくて筋トレをしたの」と話すと、「え？ 俺、華奢な体型好きだったよ」と言われ、さらにがっかり。泣きそうな私を見て彼は「ごめんごめん、どんな君も好きだよ。頑張ったんだね」と笑います。こうして、私のトレーニング期間は幕を閉じました。
今回の一件で、私は彼の言葉を深く捉え過ぎていたと気づきました。大好きな彼から、いつもかわいいと思われたいという気持ちが強く頑張りすぎてしまいましたが、彼は猫背の私のことも愛してくれていたのです。それでも美を求めて頑張った日々は無駄ではなかったと思います。おかげで肩こりが解消しました。
著者／山野はるか
イラスト／藤まる
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