2022年の出生数が80万人を下回る見通しとなり、少子化問題は急務といえる日本。岸田首相は「異次元の少子化対策」と称し、少子化対策に力を入れることを公言しています。しかしその一方で「子育て罰」とも揶揄される動きがあるようです。
扶養控除縮小の動き!?
現在子育て世帯には、生まれてから中学3年生までの期間、子ども1人につき1万円の児童手当が支給されています(ただし、所得上限限度額を超過すると対象外)。
政府は、2024年度から児童手当の支給対象を高校生まで拡大し、所得制限も外す方針を打ち出していますが、その一方で財源を確保するために扶養控除の縮小や廃止が求められているようです。
この件に関して、2023年6月時点では「検討課題」でとどまっているものの、もし扶養控除が縮小・撤廃された場合、子育て世帯の家計はどのように変化するのでしょうか。
扶養控除とは?
扶養控除とは、親族を養っている人の負担を軽減するための制度です。ざっくりと説明するならば、子どもなどの家族や親族を養っている人は税金の負担が軽くなるというもの。現在の日本では、16歳以上の扶養親族がいる人が利用できます。
ちなみに、以前は15歳以下の扶養親族にも扶養控除が適用されていましたが、2010年に廃止されています。
では、扶養控除によって、実際にどれくらいの恩恵を受けることができるのでしょう。
年収にもよりますが、扶養控除を利用すると税金は年間約6万円~17万円ほど安くなります。
年間約6万円~17万円というと、子どもとの家族旅行に出かけたり、勉強に役立てるためのパソコンを購入したりできる金額です。子どもが複数いたら、その金額はさらに大きくなります。この金額は子育て世帯にとって非常に大きな金額といえるでしょう。
もしも扶養控除がなくなったら?
扶養控除が廃止されたとしたら、子育て世帯の生活はどうなるのでしょう。
扶養控除の対象になる年齢の子どもがいる家庭では、例え児童手当が月1万円に増額したとしても、差し引きすると手取りが減ってしまう場合があります(年収によって異なる)。
16歳といえば、義務教育を終え、高校・大学と進学にお金のかかる年齢です。もちろん公共交通機関に乗れば料金は大人料金であり、食費も大人並み。教育費を心配し、子どもを持つことを躊躇する夫婦にとっては、大きなマイナス要素になることがわかります。
扶養控除は子育て支援に矛盾している
もし扶養控除が縮小や廃止されてしまったら、家計にとっては増税と同じこと。これには元フジテレビアナウンサーの中野美奈子さんも「こども未来戦略会議」の場で苦言を呈しています。
『扶養控除の縮小は“若い(子育て)世代の所得を増やす”ことと矛盾するのでは』
自身も子育て真っ只中という中野さんの意見には、子育て層からたくさんの支持が集まっています。
『恵むことを考えるより、いかに取らないかを考えてほしい』
『決して経済的に苦しい立場ではないのに、寄り添った的確な発言!』
『まさにその通り! 中学生以下の扶養控除も返してほしい』
今後、扶養控除がどのように変わっていくのか? ベビカレ編集部でも、引き続き気にかけていきたいと思います。
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