兵庫県明石市は「こどもを核としたまちづくり」をおこなったことで有名です。元市長の泉房穂氏は、2011年から12年間もの間、中心に立って明石市の子育て環境の改善に努め、2023年4月の最後の登庁日には、たくさんの子育て世代が駆けつけ退任を惜しんだことでも知られています。
明石市の子育て政策について、泉氏は自身のSNSで「明石市にできて他の市にできないわけがない」と強く説いています。もしそれが事実であれば、あなたの住んでいる自治体の未来も明るいかもしれません。
明石市で実施した5つの無料
明石市では、以下の5つが無料で提供されています。
・高校3年生までの医療費
・第2子以降の保育料
・中学校の給食費
・遊戯施設や文化施設など公共施設の入場料
・生後3カ月から満1歳の誕生日まで、見守り訪問を兼ねて子育て用品をお届け
泉氏曰く、必要なのは「集中月間」のような一時的な“キャンペーン”ではなく、年間通じた支援策。いずれも国が一律で無償化できると言います。
ではその財源は?
子育て世帯にとって、経済的な支援が手厚くなるのはとても嬉しいことですが、それに伴い税金などの負担が増えて、プラマイゼロのような状況になっては意味がありません。
明石市のケースでは、財源に関しても「これ以上、国民に負担を課すべきではない」としていたようです。
では、明石市がどのように財源を確保したのかというと、土木費や人件費の見直しだと泉氏はSNSに投稿しています。市民のために必要か否かを徹底的に見直し、過剰な予算を適正化したことで、増税せずとも充実した子育て施策を実現したそうです。
また、泉氏によると国主体でおこなうのであれば、国債の発行が可能である分、さらに現実的であるとのことでした。
こんな子育て支援もある!
明石市が実際におこなった子育て政策は、前述の無料化だけではありません。「こどもの養育費立替支援事業」を日本で初めておこなったのも明石市でした。
これは、本来受け取るべき養育費が不払いになっているひとり親世帯に対し、1カ月分の養育費を立て替えて支払い、相手側に対し返還を請求・回収するというもの。
これまで泣き寝入りしていたひとり親が苦しむことのないよう、行政がセーフティーネットを張った施策と言えるでしょう。
日本の子育て政策は伸びシロあり?!
SNSを見ていると、泉氏の政策に影響を受けて「明石市を超える子育て政策実現したい」と後を追う自治体が増えている様子が見受けられます。一つひとつの動きは小さいかもしれませんが、泉氏が投じた一石が大きなムーブメントになる日が来るのかもしれないと思うと、日本の未来にも期待できるかもしれませんね。
今回は明石市の取り組みを紹介しました。みなさんのお住まいの自治体では、どんな子育て政策がおこなわれていますか? 「わが自治体ならでは!」といった政策があれば、コメント欄から教えてくださいね!