授乳中、よく親世代の人から「母乳にいいから」という理由で、おもちを食べるようにすすめられることがあります。なぜ、おもちがいいといわれているのでしょうか。今回は、母乳のためにとりたい食事についてお伝えします。
おもちを食べるように言われるのはなぜ?
エネルギー源となる、おもち。現代の私たちのように栄養のとれた食事をとることが難しかった昔の場合、とくにおもちはごちそうとされ、今以上に貴重な食料でした。
そのため、幼い子どもをしっかり育てるためにも、まず母親が母乳を出すためのエネルギー源として、おもちを食べるようにすすめられていたのでしょう。それが現代まで語り継がれています。
母乳のためにおもちを食べる必要はありません
授乳中、エネルギー源になる主食を抜かないようにすることは大切ですが、母乳を出すためという理由で、おもちを食べる必要はありません。主食としてごはんを食べるように、おもちも食べましょう。
ちなみに切りもち1個のエネルギー量は約120kcalぐらい。むしろ一度に何個もおもちを食べると、エネルギーのとりすぎにつながるので注意が必要です。
栄養バランスを考えた食事を!
母乳のために、とくに食べたほうがいいという食品はありません。授乳で失われる水分をしっかり補給しながら、妊娠中と同じように栄養バランスのとれた食事を3食きちんと食べることが重要です。出産後の体を回復しながら、授乳中の疲れを解消できるような食事を目指しましょう。
ひとつの食品にかたよるのではなく、いろいろな食材を組み合わせながらとることで、栄養のバランスもアップします。主食、主菜、副菜がそろうように心がけましょう。
管理栄養士で一男一女の母。大学卒業後、専業主婦時代に離乳食作りから食の重要性に気付き、管理栄養士・フードコーディネーター・消費生活コンサルタントの資格を取得。書籍や女性誌の栄養監修など、主に健康と食のジャンルを中心にフードライターとして活動中。