大学3年生。就職活動真っ只中に…
私は大学生のとき、10歳年上の男性と交際をしていました。とてもやさしくて頼りがいのある男性で、いつか結婚したいと思っていたのです。そんな私には看護師になるという夢があり、まずは夢を叶えるために毎日頑張っていました。
大学3年生になって、実習と就職活動も重なり一番ハードだったときのことです。原因不明の体調不良が続き、念のため病院に行ってみるとなんと妊娠していることが判明。
医師から妊娠を告げられたとき、両親の反応や大学や就職のことへの不安も大きかったですが、それよりも「うれしい」という気持ちがわきあがりました。彼のことが大好きでしたし、実習で小児科や妊婦さんに関わることもあり、いずれ自分も命を育みたいと思っていたからです。
彼との子を産みたいと伝えると…
妊娠がわかり、すぐに彼に報告。彼は驚いていましたが、とても喜んでくれて「すぐに結婚しよう」と言ってくれました。しかし、そのためには両親や学校への報告というハードルを乗り越えなくてはいけません。
両親は愛情深い人でしたが、厳しい面もあり、授かり婚なんて許してくれないだろうと思っていました。また、学校でもそれなりに成績がよかったことから、周囲から失望されることへの恐怖もありました。結局、妊娠判明からしばらくは彼以外の人に話すことができませんでした。
けれども、いよいよおなかも膨らんできて、いつまでも隠すことはできなくなりました。意を決して両親と学校に報告をすると、両親は予想通り大激怒。彼と別れるように迫ります。一方で学校からは、私の体調を気づかいつつ、せっかく3年生まで頑張ったのだから、休学してでも看護師の資格を取得するようにすすめられました。
出産することにはみんな賛成だった
大激怒した両親も、出産自体には肯定的でした。けれど、彼とはどうしても別れてほしいと譲りません。彼は何度も挨拶に来てくれましたが、毎回門前払い状態。それでも彼はあきらめず、時間をかけて両親に話をしてくれました。出産すると決めた私たちは、とにかく結婚を認めてもらえるように、誠実な生活を送ります。
どんなに突き放されても私をサポートし続けてくれた彼は、出産後も子育てに全力を尽くしてくれました。そんな彼の姿を見て、両親もだんだんと考えが変わっていったのか、最終的には結婚を認めてくれて出産から1年後に籍を入れることができたのです。そして私は、一年の休学を経て大学に復帰し、看護師になる夢も叶えました。
出産が迫ってくると不安で、感情的になりそうなことが何度もありました。しかし、パートナーと協力してお互いを信じ、誠実な生活を送ることで、結果として周囲から認めてもらえたと思います。なかなか籍がいれられずやきもきもしましたが、幸せな家庭を築くことができてよかったです。
著者/徳山陽子
作画/ちえ
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