自分は若見えするという自信があった夫
夫はアラフィフですが、「俺は年の割に若い」という若見えに対する自意識が高いタイプです。私とは16歳ほど年が離れていますが、「周りからはひと回り以上年の差がある夫婦には見えないだろう」と、いつも自分の見た目に自信を持っているようでした。
実際に夫は、加齢で体がたるまないように体形のキープに努めたり、少しでも若く清潔に見えるように白髪を黒く染めたりなど、ちょっとでも若く見えるよう自分磨きや身だしなみには気をつかっています。
その成果もあってか、周りからも「50代には見えない」「奥さんとそんなに離れているようには見えない」と、若く評価してもらえることが多いようでした。夫本人には話したことはありませんが、夫のそんな努力家の部分は、私も尊敬しているところでもあります。
ある日、夫が私の父親だと勘違いされ…
そんな夫が「グレイヘアもおしゃれに見えていいかも」と、しばらく白髪染めをやめることにしたタイミングがありました。当時、テレビや雑誌にグレイヘアの有名スポーツ選手や俳優がよく出ていたので、それを見たのがきっかけなのだと思います。
そんなある日のことです。3歳になる子どもの誕生日ケーキを注文するために、家族3人で洋菓子店へ行きました。たくさんのケーキに目移りしてしまいましたが、ケーキの中から子どもの好きなものを予約し、その日は帰宅。後日、夫がそのお店にケーキを受け取りに行ってくれることになりました。
そして、迎えた娘の誕生日当日。洋菓子店でケーキを受け取って帰ってきた夫は、なぜか少しイライラした様子です。どうしたのだろうと恐る恐る私が尋ねると、夫は少し怒りをにじませながら話し始めました。
この日、夫がお店に行くと、夫の顔を見た店員さんが気付き、ニコニコと予約したケーキを厨房から出して来て、手渡してくれたそうです。そのとき、店員さんから「以前ご予約に来られた際は、娘さんとお孫さんと来られていましたよね。やさしいおじいちゃんですね。お孫さんのお誕生日、おめでとうございます」と言われたのだそうです。
どうやら夫は、おしゃれでいいかもと思って白髪染めをやめて作り上げたグレイヘアのせいか、私の父親、つまり子どものおじいちゃんと間違えられてしまったようでした。店員さんが子どものお祝いのケーキをわざわざ取りに訪れたおじいちゃんを、ただ褒めようとしただけ。セールストークは、夫の渾身のおしゃれセンスを傷つける結果となったのでした。
ショックで身だしなみにさらに磨きがかかる夫
店員さんの言葉に衝撃を受けた夫は、その場は「ありがとうございます」と笑って返したそうですが、その裏で心は見事に砕け散っていました。帰宅後に「接客業なのに、客にそんなこと言う!?」と愚痴が止まらない夫でしたが、私はつい笑いそうになってしまいます。プライドの高い夫のことなので、おしゃれと思っておこなっていたことが、逆に年齢を感じさせると指摘されたようで、さぞショックだったことでしょう。
夫はそれ以降、ひげのデザインにこだわったり、美容室へトリートメントをしに行ったりなど、これまで以上に身だしなみに力を入れている様子です。最近では、美容意識がどんどん高くなり、「年齢を感じさせるから、肌のシミ取りに行きたいな」と言っています。
夫から、その日の身だしなみについて「この感じ、どう?」と毎朝聞かれるのはうっとうしいなと感じることもあるのは事実。しかし、プライドを傷つけられてもなお自信を失わないところが、夫らしいなと微笑ましく感じてしまいます。妻としては、夫のプライドの高さを面倒に感じることもありますが、向上心や負けん気から学ぶべきところがあるなぁと感心した出来事でした。
まとめ
若見えに自信があった夫は、私と親子に間違えられてしまったことで、さらに自分磨きに力を入れるようになりました。「自分はもう、どうせ中年だから」と諦めず、いくつになっても自分に自信を持って努力を続けられる夫は、純粋にすごいなぁと感心します。
年齢を重ねて、体形や肌、似合う服が変わってくるなど、見た目に変化が出てくるのは私も同じ。夫のそういった自分磨きの努力を怠らない部分を見習っていきたいと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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