和歌子は夫と2人暮らし。夫の譲司は忘れ物が多い、うっかり屋さんなので和歌子はいつも気を張っています。ある日、ひとつの忘れものがきっかけで、ある疑惑が生まれますーー。
明日は出張。忘れ物をしないでと念押し
財布を忘れたり、お弁当を忘れたり、忘れ物をしやすい譲司。「明日の出張は忘れ物がないよう気をつけてね。出張も滅多にないから、慣れてないでしょ!?」と言いますが、譲司は「大丈夫!」と余裕を見せます。
翌日、和歌子は夫に連絡します。
「ねぇ!また忘れ物してるけど大丈夫?ちゃんと出張行けたの?」
「出張先着いたわ!忘れ物って何?」
「新幹線のチケットだけど、どうやって出張行ったの?」
「え…?」
「新幹線に乗ったのに、チケットがないことにきづかないなんておかしくない?」と和歌子が返すと、「そうそう!駅でチケットがないことに気づいて新しく買ったんだよ!」と言います。なんか怪しい……と感じる和歌子。「本当に出張に行ってるの?会社に電話して聞いてみよっか」と言うと、「絶対やめろ!」と怒り出しました。
ならばと和歌子は、「本当に出張先にいるのか証拠を出してよ」と問い詰めます。「現地の写真を撮って送るから」と言いますが、写真はいくらでも捏造できるので信用に値しないと判断。「本当は別のどこかに行ってるんじゃないの?」と聞くと、「そんな訳ないだろ。昼ドラの見過ぎだよ。暇だよな主婦って」と和歌子のことをディスりました。
考えれば考えるほど、おかしい……。和歌子は会社に電話して見ることに。
会社に電話。夫は嘘をついている!?
1時間後、和歌子は譲司に連絡。そして会社に電話して分かったことを伝えます。
和歌子が会社に電話をすると、ラッキーなことに譲司の上司に繋いでもらえました。聞いたところ、今日出張は入っておらず、それどころか有給をとって休んでいると言うのです。
「だますつもりはなかった、ちょっとひとりで羽を伸ばしたかっただけ。それよりも上司に余計なこと言ってないよな?」と話す譲司。余計なことかは分かりませんが、和歌子は「夫が出張に行ってから連絡がとれないんです」と緊急性を匂わせる感じで上司に相談。心配した上司が、社内で聞き取りをしてくれました。
出張と嘘を付いていることが社内にバレた譲司は焦ります。譲司は「クソが……」と悪態をつきますが、和歌子はさらに続けます。「あなたの行き先について情報提供してくれた人がいてね。不倫旅行で箱根に行っていると教えてくれました。本当に昼ドラみたいな展開になってきたよね〜」と話します。不倫相手は既婚者で取引先の社員、夫は取引先の社長をしているとのこと。W不倫でした。
譲司は和歌子に対し、「軽率に彼女に手を出したわけじゃない。今の関係は不倫だけど、本気で愛し合っている」と純愛宣言。「2人に対して慰謝料を請求するよ?」と話すと、「いくらでもしてくれ。それを手切れ金にして俺たちは新しい人生を始めるよ」と言うのです。
夫の新しい人生はひとり?ふたり?
2時間後、「今、帰りの新幹線に乗った」と譲司から連絡がありました。どうやら不倫を知った相手の夫は妻に連絡し、「今すぐ帰ってくるなら許してやる」と言われたよう。彼女はすぐに帰らなきゃ行けないと、ホテルから出て行ったとのことでした。
どうやら、本気で愛し合っていると思っていたのは譲司だけで、不倫相手にとってはお遊びだったよう。彼女に捨てられた譲司はショックを受けており、「俺は家に帰ることにしたから。面と向かって謝罪したい」と話します。
しかし、譲司の顔を見たくない和歌子はすでに家を出ていました。「帰ってきても私はいないよ。ホテルに泊まったり、知り合いの家に行ったりする予定だから」と話します。「生活はどうするんだ?」という譲司に対し、「仕事でも何でもする」と返します。今までの会話で主婦を舐めていることが分かり、不倫のことも含めて譲司に失望していました。俺には和歌子がいないとだめだよ……と言いますが、時すでに遅し。
その後ーー。離婚が成立し、譲司は会社を退職することに。和歌子と不倫相手の夫から慰謝料を請求されているので、再就職しても生活は苦しくなりそうです。実家に支援を頼んだようですが、門前払いされたと聞きました。一方の和歌子はひとり暮らしを始め、知人の紹介で仕事も見つかりました。今は悠々自適な生活を楽しんでいます。
些細なうっかりが人生を左右する結果にーー。とはいえ、不倫を長く隠し通せるとは思えず、和歌子にとっては早く分かって良かったですよね。不倫中は気持ちが舞い上がって現実が見えないのかもしれませんが、本当に自分の事を大切に思ってくれているのは誰なのか……見誤らないようにしたいですね。