楽勝だと思っていたのに…!
ヨガを経験したことのある私は、「ヨガも太極拳も同じだろう」と軽い気持ちでスタート。週に1回2時間の講座で、基本となる24式太極拳の動きと構えを教わります。
継続して講座に通っている生徒さんは50代半ばから70代の方が30名ほどで、40代の私は珍しいとのこと。最初は「40代の私ならラクラクでしょう」と高をくくっていましたが、すぐにそれは大きな間違いだと気付きました。
24式太極拳を1講座で2式ずつ教えてもらうのですが、未経験の私には動きがとても複雑に感じるのです。ゆっくりだけれど両手両脚が同時にバラバラの動きをするので、頭がパニックに。指先の向きや体重移動、つま先やかかとの動きなど、とにかくこまかくて複雑で、受講中は必死に先生の動きをまねしましたが、いざ家で復習しようとしてもまったく動きが思い出せませんでした。
焦りを覚えた私は、24式太極拳のYouTubeを何度も見て復習し、徐々に覚えていきました。軽い気持ちで始めた太極拳で逆に認識力と記憶力の衰えを突き付けられることとなりましたが、結局は太極拳のおかげでかなり脳が刺激され、脳トレにもなったように思います。
ゆっくりの動作が筋肉痛を呼ぶ
太極拳は動きや構えを覚えるのが大変なだけでなく、動作がゆったりしているので、腕や太もものあたりがビシビシと刺激されます。先生からも初日から「筋肉痛に気を付けてね」と言われました。忠告通り、普段使われていない筋肉が悲鳴を上げ、すぐに筋肉痛となりました。
基本的に太極拳では、姿勢を真っすぐに保ったまま肩幅に足を開き、膝を緩めてリラックスした状態で呼吸を意識します。動作はゆっくりと伸びやかなのですが、だからこそじわじわと筋肉に負荷を与える感じです。さらに24式太極拳の動きの中には、片足で立ちもう片方の足を真っすぐ伸ばして バランスを取る動きや、脚を前後に開き腰を深く落とす動作もあり、より筋肉の強化や体幹が鍛えられる感じがしました。
講座を重ね、24式太極拳を進めるごとに自分の筋肉力の衰えを感じては、何度も動きや構えを繰り返し練習。「無理はしないでくださいね」という先生のご指導の中、自分のペースで動きに慣れ、筋肉を動かしていきました。最近でもたまに筋肉痛はありますが、その刺激が心地良く感じられ、以前よりも筋肉が強化されている感じがします。
大先輩方の言葉が未来の希望になる
太極拳を始めて、何よりも一番驚いたことは「自分よりも年上の方々が、優雅に美しく太極拳をされていること」でした。私は四苦八苦しながら先生の動きを必死にまねているのに、周りの方々はとてもスムーズに太極拳をしていました。
聞くと、皆さん5~10年の経験者とのこと。年齢も私より上の50代以上の方が多く、77歳の喜寿の方もいらっしゃってとても驚きました。なかなかうまくできない私に皆さんはやさしく「最初はすぐに覚えられないから大丈夫」「何度も繰り返せばすぐに上達しますよ」と言ってくださいました。
長く太極拳を経験されている方は、やはり姿勢も良く足腰もしっかりして、健康的に見えました。私が「太極拳をされて、体に変化はありましたか?」と聞くと、「転びにくくなった」「動かなかった関節が動くようになった」「ここで皆と太極拳をすることが楽しい」と口々に話されていました。大先輩方がイキイキとされている場に遭遇でき、自分の未来になんだか大きな勇気や希望が持てたような気がしました。
まとめ
軽い気持ちで始めた太極拳でしたが、その奥の深さに驚きました。一見ゆっくりとした動きや構えですが、実際におこなってみると体のあちこちが刺激され、私は即筋肉痛になりました。また、両手両脚が同時にバラバラな動きをするので、とにかく覚えることが困難。脳の刺激にもなりました。
長く太極拳を続けられている方たちは姿勢も足腰もしっかりしていて、健康そうでした。何より、皆さん楽しそうに太極拳を続けられていて、気持ちの上でも若々しい! そういった大先輩に遭遇でき、老いることへのマイナスイメージも軽減できたような気がします。
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