「何してるの！？」隠れて私のスマホを撫でまわす夫。夫の行動のワケは

 

脱衣所から夫の様子を見てみると、夫は自分の部屋で何かを探しているようでした。しばらくして何かを手に取りリビングへ。何をするのかと思いきや、なんと私のスマホに触って何かをし始めているではありませんか。

 

「え？ 私のスマホで何をしようとしているの？」と思いましたが、よく見てみるとスマホを操作している様子ではありません。スマホを撫で回しているようにも見え、あやしいとは思ったものの、直感で「夫が何かを企んでいるわけではないな」と思った私。あとで聞けばいいかと、私は浴室に戻りました。

 

その後、私はお風呂から上がってすぐ「さっき、私のスマホを触っていたよね、何をしてたの？」と夫に聞くことに。急に声をかけられた夫は、私が想像していた以上にびっくりした様子でした。

 

そして、夫は「……スマホの液晶保護フィルムを貼ってたんだよ。っていうか君のスマホはこんなに汚れてるうえに、なんで画面がバキバキなの？ そういう性格がだらしなくて、信じられないよ」となぜか怒っている様子で言ってきたのです。

 

夫の言動が予想外で、あっけにとられてしまった私。急に「性格がだらしない」と言われたこと、なぜ唐突に怒られたのかと状況が呑み込めず、私の頭の中はハテナマークでいっぱいでした。

そして、よくよく話を聞くと、夫は私のスマホに貼っている保護フィルムがずいぶん前から割れていることを「みっともない」と思っていて、気になっていたそうです。実は、以前から夫に指摘をされていましたが、私は「画面が割れていても使えるし」と夫の言葉をスルーしていました。

 

夫としては、保護フィルムを貼り直す素振りもなく、日に日に割れ目からヒビが入って広がっていく私のスマホの液晶画面を見るのがどうしても耐えられなかったそう。そして私がお風呂に入っている間に、こっそり貼り替えようと行動に移したようでした。

 

スマホの液晶画面が割れていることを怒られるのは仕方がないにしても、「性格がだらしない」とまで言われる筋合いはない！と、その後少しケンカになってしまったものの、きれいになったスマホを見ると「これも夫のやさしさなのかな」と、次第に怒りの感情も収まっていきました。

 

 

夫としては相当気になっていたのでしょう。まさか私の入浴中にこっそり貼り替えるとは思っていませんでしたが、「こういうところも夫のやさしさなのか」と感じた出来事でした。私だったら自分の物ですら貼り替えるのが面倒くさいのに、人のスマホのフィルムまで替える気なんて起きません。

 

結果的に夫のおかげできれいになったスマホ。気にかけてくれていることでもあるのかなと捉え、こうして行動に移してくれることを当たり前と思わず、感謝の気持ちを持ち続けていくことが大切だとも感たのでした。

 

著者／しいの恵
イラスト／アゲちゃん