ワーキングママにとって毎回持ち上がる待機児童問題。ネットニュースを見ていても、「待機児童何人増加」と、各地域での待機児童問題が頻繁に取り上げられています。その対策とも言える、また新たな取り組みが「公営住宅で保育園を開設する」というものです。
公営住宅保育園とは?
公営住宅保育園というのは、公営の集合住宅に小規模保育所を開設する試みのこと。大阪府島本町の市営住宅で第1号の府営住宅保育園が始まっています。
物件探しに苦労している民間事業者と、空き室を有効活用したい行政の思惑が一致したことにより実現した取り組みです。
RICホープ島本保育園
大阪府島本町でできた保育園の名称は、RICホープ島本保育園。
府営住宅を活用し、約60平方メートルの1室で12人を預かっています。3LDKの間取りはそのままで、押し入れを撤去するなどして改修したとのこと。防音のため、窓や天井は二重に、台所は壁を設けて独立した調理室にリフォームされました。
進まない公営住宅保育園
小規模保育所は定員6~19人で、0~2歳児を預かる保育所であり、都市部での待機児童増加などを受けた国の制度変更で、2015年度から認可対象になりました。
それに伴い、東京都は昨年9月、区や市に移管した都営住宅を保育所として使えるよう、用途の条件を緩和しましたが、申請はまだない状態。神戸市や京都市でも話題に上がったものの、具体的な計画には至っていません。
なぜ進まないのか?問題点とは?
公営住宅は、駅から離れている場合も多く、駅近の保育園を求める保護者が多かったり、また公営住宅に住む住民は騒音などへの懸念もあり、保育園を始めることへの賛同を得ることがなかなか難しく、前途多難なようです。
待機児童問題に対する政策は待機児童の数を見れば進んでいないようにみえます。しかし、各自治体などでは、さまざまな打開策が出されているように感じます。「小さなことからコツコツと」という様子ではありますが、少しずつでも進んでいくことに今後も期待したいと思います。(TEXT:東 裕子)