子育てや育児の記事を読もうとニュースなどを検索すると、必ずと言っていいほど出てくる待機児童問題の記事。内容は、「待機児童が○○人!去年より増加」と言ったように、待機児童の人数であったり、新しい取り組み内容であったりとさまざまではありますが、あまり進んでいないという現状を把握する記事が大半を占めています。
政府の目標と現状
安倍晋三首相は、待機児童の解消を「2017年度末まで」と目標を掲げていましたが、今年の5月に、年次を3年間先送りし、「2020年度末まで」に変更しました。
4年前に策定した計画に基づいて、新たに約40万人分の受け皿を整備したものの、待機児童数は15年以降、2万3,000人台で推移している状態です。
なぜ減らない?待機児童の数
とくに課題となっているのは都市部であり、全国のデータでは保育施設の定員が利用児童数を上回ってるのですが、地方に余裕があっても首都圏で保育所を探している家族には意味のないデータとなっています。
東京都では4月時点で、8,900人分の受け皿が不足している状態であり、保育所の設置に近隣住民が子どもの声を騒音と感じたり、送り迎えの際の道路渋滞を嫌ったりなどの理由により反対されることもめずらしい話ではありません。
待機児童問題に終止符宣言
安倍首相は5月、経団連の創立70周年記念パーティーで、「今度こそ、待機児童問題に終止符を打つ」と明言しており、「遅くとも3年間」で全国の待機児童解消を目指す考えを示しました。
2022年度末までの5年間で、女性就業率80%に対応できる約32万人分の受け皿を整備する方針を示しています。
3年先延ばしにはなってしまいましたが、少しずついろいろな対策や案が出されているのも事実です。3年後に、「待機児童が0に!」なんて記事が、いろいろな自治体などから発表され、ニュースになることを願います。(TEXT:東 裕子)