働き手の母が出て行き、父は無職。祖母のパート代と耳の聞こえない祖父の障害手当てが頼りの貧乏暮らしに。酒乱の父は、お酒を飲んでいるそばにいるこだころ.さんが粗相をすると容赦なく手を上げ、そんな時は祖母のもとへ行き抱いて慰めてくれました。
ある日、父はりーと名乗る18歳の女性を連れてきて、やがて彼女と再婚することになりーー。
結婚してから厳しくなった継母、寄り添う祖母
結婚前はお菓子やおもちゃをくれ、優しかったりーですが、籍を入れてからは豹変。
スナックで働き家族を養ってくれるりーには誰も逆らえず、サバサバしているものの謝らない、嫉妬深い性格ということもあり、祖母にとっては苦手な存在のようでした。
こだころ.さんが小学生になり、学校から帰ってくると祖母は電話をしており、相手に戻ってきてくれと頼んでいました。
ある日、祖母がこっそり母の写真を見せてくれ、母にそっくりなこだころ.さんに辛いことがあっても自分が守ると話し、こだころ.さんは祖母の言葉の意味が理解できませんでしたが、次の日祖母が見せてくれた母の写真はりーが燃やしてしまい、祖母はこだころ.さんを抱きしめて謝っていました。
また、こんなこともありました。
運動会のお弁当の時間、何かの拍子で母の話をしたこだころ.さんに激怒したりーは髪の毛を引っ張り、先生たちに必死に止められという事件。こだころ.さんはあまりに辛かったためか、この記憶は大人になって聞かされるまで封印されていました。後に母からこの話を聞かされ、当時は母も運動会を見にきていたようですが、りーが怖いのと別れた身だから助けられなかったと告白。それでも守ってほしかったというのがこだころ.さんの本音。
そんな継母りーとの辛い日々のなか、祖母はスナックのバイトでりーが家にいない時を見計らって、こだころ.さんに電話番号のメモを渡してくれました。
誰の番号なのでしょうか?
◇ ◇ ◇
結婚してから人が変わったりー。まだ10代で家族の生計を背負っていた彼女を思えば、厳しくなることは当然なのかもしれません。
しかし、母の写真を焼いたり、子どもの髪を引っ張るのはいくら嫉妬深いとはいえ、小学生のこだころ.さんには辛い記憶であり、大人になるまで封印されていたほど傷ついたのではないでしょうか。それでもこだころ.さんが思っていたのは、実の母に助けてもらいたかった……。
家を出て行った母、家族を養うりー、なぐさめてくれる祖母。それぞれの立場や気持ちもあって、難しいですが、子どもは守ってもらいたいですね。