憧れのヴェネツィアで、まさか!
到着した夏のイタリアは暑くて、旅行中は体中から汗がふき出してくるほど。それでも楽しく過ごし、旅行3日目は、私が楽しみにしていたヴェネツィアへ行くことに。初めて見る街並みの美しさにすっかり夢中になりました。
しかし、ゴンドラ遊覧をしているとき、汗とは違う、下半身の違和感にふと気づいたのです。嫌な予感がしましたが、立ち上がったときにドッと漏れたら……と思うと怖くて動けずにいました。そしていよいよゴンドラを降りるとき。勇気を出して立ち上がり座面を見てみると、なんと経血がベッタリついているではありませんか!
慌ててハンカチで汚れを拭き取ったのですが、男性の船頭さんの目線が恥ずかしくて逃げるようにその場を去りました。
押し寄せる後悔
急いで友だちとトイレへ向かいましたが、生理になると思っていなかった私は、生理用品を持っていません。初めての海外旅行で浮かれていたこともあり、漠然と旅行後に生理がくるだろうと思って生理の可能性など一切考えていなかったのです。
幸い、友だちがナプキンを持っておりもらうことができましたが、恥ずかしくて情けない気持ちでいっぱいでした。そして、その日はいていたサブリナパンツは、経血のシミがとても目立ってしまって……。
旅行先で感じたやさしさ
団体のツアーだったのですぐにホテルへは戻れず、カーディガンを腰に巻いて経血の付いたパンツを隠してやり過ごすことに。途中でバスに乗り込む際に、同じツアーの日本人親子がボトムスに経血がついていることに気づき、話しかけてくれました。
そして、お母さんが励ましてくれ自身が持っていた尿漏れパットを私にくれたのです。海外でまさか生理になるなんて……と落ち込んでいた私でしたが、その友人やその親子の気づかいのおかげで、なんとか気持ちを切り替えてその後の旅行を楽しむことができました。
今となっては懐かしい思い出ですが、しばらくはヴェネツィアで経血を付けて過ごした恥ずかしい思い出が頭から離れませんでした。その旅行以降、私は生理周期をメモして管理するようになり、しっかり生理予定日を把握するように。また、どこへ行くにも予備のナプキンを持ち歩くようになりました。
著者/晴山 夏衣
イラスト/アゲちゃん
監修/助産師 松田玲子
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