東京郊外の自然たっぷりな場所に、emoemoのアトリエ兼デザイナーの神谷さんのご自宅があります。 2人のお子さんと一緒に過ごす神谷さんの制作現場に今回お邪魔させていただきました。
私も1人の男の子を育てていますが、どうやって子育てをしながら制作を両立させているのだろう……。 どういう環境で制作をしているのかな……。と以前からすごく興味がありました。 わがままをいい、制作現場にいざ潜入!
「emoemo」のアトリエを訪ねて
こんなにかわいいお2人のお子さんが出迎えてくれました。神谷さんは7歳の女の子と、2歳の男の子の2人のママなんです。アトリエ兼ご自宅なので、生活感もありますが、その中にもいたるところにアートがたくさん溢れた空間。 神谷さんの絵はもちろん、お子さまのかわいい作品も飾られていて……とってもクリエイティブな空間です。
神谷さんはこのグリーンの机で絵を描いたり、ラフ案を考えたり……。今回のシルクスクリーンの作品を制作したりしているそうです。たくさん絵の具がついているこのグリーンの机。
神谷さんは、「きたないでしょ〜。」と言っていましたが、 私はなんだかとっても味があって好きです。一つひとつの制作の歴史が刻まれているような、自然とできた絵の具の跡が絶対に作ろうと思っても作ることはできないものな気がして……。
神谷さんのかわいいイラストと私もだいすきなリサラーソンの陶器が……たくさん!
絵の道具、子どものおもちゃ、子どもの作品、神谷さんの作品……。いろいろなものがひとつのお部屋に詰まっている空間です。この場所から、たくさんの作品が誕生していっているんですね。
いつ?どうやって作っているの??
まず、ひとつの疑問として、子育てをしながらどうやって制作をしているのだろう……。 たくさんの疑問や制作に関しての質問を投げかけてみました。
Q どんな時間帯?いつ制作をしているのですか?
神谷さん:子どものお昼寝時間や、子どもが寝静まった夜中、子どもが起きてこない早朝です。
私:ですよね〜。
といいながら、やはり睡眠時間や本当はちょっとひと息付きたい時間に細かく分けて制作をしているとのことです。子どもは待ってくれません。なかなか自分の思い通りにならない気持ちと、常に葛藤ですよね。
Q 今までと違う、完全な手作業のシルクスクリーンを試みようと思ったのはなぜですか?
神谷さん: 実はシルクスクリーンは、emoemo初期からやっていて、妊娠してつわりがありお休みしていたんです。 産後、インクの換気の問題からできなくて……。 あまり答えにならないですね……。
でも、シルクスクリーンをはじめたきかっけは、独学でテキスタイルをスタートしデザインをするなかで、 頭にあるアイデアと布自体がもつ個性とインクの色が、すべて合致してひとつの作品になると感じたので、勉強のためにもシルクスクリーン制作をスタートしたんです。
私: そうなんですね……!そういえばemoemoの立ち上げのときに見た覚えが!
こんなふうに、一つひとつ手でプリントをしていくシルクスクリーン。一つひとつ思いを込めて……。
Q 今は働くママが多い時代ですが、子育てをしながら仕事をしていくなかで、子どもとの関わり方など、気を付けていることはありますか?
神谷さん: 1人目を育児しているときは、自分の仕事で子どもを振り回したりしないようにかなり気を付けてきました。 ただ、2人目を出産してからは、自分の仕事の都合で振り回して行こうと思ってやっています。
私の場合は仕事を見せられる環境なので、なるべく親のありのままの姿を見せています。 さまざまな家庭のスタイルがあっていいし、それが子どもにも案外いい気がしています。 私は、両親が仕事をしていて母の仕事場で毎日ずっと何時間も1人で待っているのが日常でした。
側から見たらかわいそうな面もあるかもしれませんが、私はその退屈な待ち時間にずっと絵を描いていました。 結果的に、今の私につながる必要な時間だったんだな。と思うんです。 なので、子どももそのなかで自分の好きなものを見つけたりしていってくれたらな、と力まずにやっています。
私: 逆に振り回していく。っていくのが新鮮な言葉ですね。
仕事をしている姿を見せていける。というのが私にとってはすごくうらやましい環境です。 会社に子どもを連れて行くわけにもいかないですからね……。 2人ともとっても恵まれた環境だな……。うらやましい。
Q 育児もあり大変ななかでも続けられる秘訣はなんですか?
神谷さん: 製作と言う未知な世界に恋をしているからです。
私: わー!すごいーー!恋!!私何年もしてない……(笑)。
Q これからの目標や野望などはあるんですか?
神谷さん: emoemoは東京を拠点としていますが、日本中どんな所でも展示会をどんどんやっていきたいです。 また、日本だけに留まらず、海外を視野に入れた活動もいずれはしていきたいです。
私: すごーい!
Q 作品を手に取る方へのメッセージなどありますか?
神谷さん: emoemoは親子で楽しめるテキスタイルをコンセプトにやっています。 パパ、ママ、キッズがお揃いで持てるデザインをしていけたらと思っています。 みなさまが少しでも笑顔になれたら幸せです。
私: そうですね。私がemoemoにひかれたポイントのひとつに親子で楽しめる。というコンセプトがいいな、と思ったので。 私も同じ気持ちです。
Q それでは、今回発売の新商品のポイントはなんですか?
神谷さん: 手描き、手刷りでしか出せないシルクスクリーンならではの味です。 バッグは染めの色味も一つひとつ違っていて、それが味になっています。 本当に一つひとつ手作りなので、こころのこもったものなんです。
私: そうですよね。世界でひとつしかない量産品とは、まったく違う1点ものに近い感じですね。
子どもの笑顔ががんばるエネルギー
神谷さんにたくさんお話しを伺いながら、チラチラ横目でアトリエの作品を眺めながら、 お子さんたちとも遊んだりお話しながらとっても楽しい時間でした。
たしかに、子育てをしながら自宅で制作することはかんたんなことではないし、 時間の割り振りや子どもとの関わり方など、いろいろなことに気をつかうのだと思いますが、 やっぱりママにとってのエネルギー、がんばる源は子どもたちの笑顔ですね。
emoemoさんのアトリエを訪れて、すごくそれを感じました。 2人のお子さんもママのお仕事のことをわかっているようで、とくに上の子は、「これはママが作ったのよ!」と自慢げに話してくれました。
今回のアトリエ訪問で、なんだかとっても元気をもらった私です。
みんなそれぞれ、いろいろな子育てのしかたや仕事のしかたがあります。 神谷さんの言葉で「さまざまな家庭のスタイルがあっていいし、それが子どもにも案外いい気がしています」という言葉に、とっても勇気づけられました。
親の背中をみて子どもが育つ。というのは本当かもしれません。 私も恥ずかしくない背中を見せなければ……と思った次第です(笑)。
神谷さんは今現在、新しいお家にお引っ越し中とのことですが、新しいお家もきっと素敵なんだろうな……と。 また遊びに行きたいです。とっても楽しい取材でした。
そして誕生したロディとのコラボ新作商品がこちら。ポーチとミニトートです。手書きのゆるいやさしいラインがなんとも言えないかわいさのロディ。 ポイントにちょんちょこりん(ミニタッセル)がついているところも私のツボです。
イタリア生まれの乗用玩具、「ロディ」にまつわるライセンス管理を行う株式会社JAMMYの女性スタッフです。ロディストアの運営を中心に、幼稚園や保育園でのこども達のあそびについての取材や、ロディにまつわるイベント等の企画を行っています。2歳の男の子をもつママスタッフと、おにぎり大好きな女性スタッフでコラムを書いています。