「90万円の借金があるの」ずっと隠していた秘密。夫にカミングアウトすると！？

 

私たち夫婦は、結婚してからしばらくの間、夫婦別財布で家計をやりくりしていました。その一番の理由は私にありました。実は、私には独身時代に返しきれなかった借金が90万円あり、夫に打ち明けられないまま子どもを妊娠し、結婚してしまったのです。

 

完済するまで借金のことを隠し通したかった私は、夫婦別財布であることを強く望んでいました。

 

また、夫は夫でインセンティブやボーナスなどの基本給以外で得られるお金はすべて自分のお小遣いという考えでした。「俺が頑張って稼いだ金をどう使おうと俺の勝手。口出ししてほしくない」と話していて夫婦別財布を望んでいました。

 

これらの点から、お互いにどれだけお給料をもらって、何にいくら使っているのかあまり干渉したくないもの同士、表面上はうまく成り立っていたのです。

 

夫婦別財布で家計をやりくりするために、まずは費用の分担をしました。しかし、借金のこととお互いの収入のことをあいまいにしたまま分担したため、この時点で私の収支のバランスは崩れていたのですが、お金の管理が苦手な私はそのことに気づいていませんでした。

 

それでもなんとかやりくりして、90万円あった借金は1年の間に70万円に。しかし子育てと仕事の両立を目的に転職した新しい職場で、上司からのパワハラを受け休職することになってしまったのです。収入がなくなり、借金の返済で貯金もあまりなかった私は、さらに苦しみました。

私が借金に悩んでいる一方で、夫は「家計を見直したい」と一生懸命お金の勉強を始めました。そして「きちんと家計管理をしていくために夫婦別財布をやめたい。管理は俺に任せてほしい」と連日熱く語るようになったのです。

 

借金返済の目処が立たなかった私は、家計管理の話から半年ほど逃げ続けました。しかし、夫の話を聞いているうちに「家族の将来を見据えて努力してくれている夫に対して、なんて私は不誠実なんだろう」という気持ちが芽生えたのです。

 

このまま裏切り続けるわけにはいかないと考えた私は、離婚を切り出されるのも覚悟して夫にカミングアウトしました。結婚時から隠していた借金があったこと、どんな無駄遣いをしてきたか、とにかく洗いざらいに話しました。

 

私の話を表情一つ変えずに聞いてくれる夫。妻から多額の借金の話を切り出されてどれほどつらかったか、計り知れません。それなのに夫は、私がひと通り話し終わったあとに「使ってしまったものは仕方ない。ずいぶん反省しているみたいだし、今後はお金の隠しごとはなしにしよう」と受け入れ、励ましてくれたのです。

 

 

夫の寛大な態度に「私はなんて身勝手だったのだろう」と反省したと同時に、夫を二度と裏切らないよう、これからはきちんとお金の勉強をして夫をサポートしていきたいと心に決めました。

 

著者／まさの
イラスト／おみき