息子とお風呂に入っていると…
平日、夫の帰りが遅いわが家では、生理中であっても私が幼稚園児の息子をお風呂に入れています。生理中に息子と一緒にお風呂に入るとき、私は息子が見ていない間に床に垂れた経血をサッとシャワーで流したり、息子を先にお風呂からあがらせたりするなどして、経血を見られないように気をつけていました。
しかしある日、湯船から出たときに垂れた経血を息子に見られてしまったのです。息子は驚いて「ママだいじょうぶなの? けがしたの?」と心配しています。
そのとき、息子は年長でした。理解できるか不安もありましたが、幼稚園で「お母さんのお股から血が出てた!」などと言いふらされては困るので、ごまかすよりも生理について伝えてみようと決心しました。
生理について伝えてみたら
伝えると決心したものの、突然のことだったのでどこから説明したらいいのか、どのような言葉で伝えたらスムーズに理解してくれるのか、私の中でこれが正解という答えはすぐに見つかりません。言葉を絞り出しながら、そのときの私の精一杯の知識を使って答えることにしました。
まず女性と男性では体の仕組みが違うこと。女性は毎月おなかの中で赤ちゃんを産むための準備をしていて、赤ちゃんができなかったら経血が出るということ。
そして、経血が出たりおなかが痛くなったり、いつもと比べて調子が悪くなったりすることもあるけれど、赤ちゃんを産むための準備をしているからこそ、あなたに出会えたんだよとも伝えました。
息子の反応は?
それを聞いた息子の感想は、「ぼく、女の子じゃなくてよかった」というものでした。
怖がりな性格で痛いのや血が苦手な息子にとって、毎月経血が出る生理は怖いもののように感じてしまったようです。息子のその感想に、私自身「なぜ毎月生理があるのか」と生理を煩わしく思っているくせに、少し複雑な気持ちにもなりました。
言葉を選びながら生理について息子に伝えているうちに、生理が毎月きちんときているおかげで息子を出産できたという喜びを改めて実感できたからだと思います。
息子に性教育をしたつもりが、いつの間にか私自身が自分の体の大切さと向き合うきっかけとなり、生理よ、いつも煩わしく思ってごめんと感じた出来事でした。
私の拙すぎる説明で息子を意味もなく怖がらせてしまったかな、とも思いましたが、病気ではないことが伝わっていれば今はよしとすることにしました。今後、息子が興味や疑問を示したときに少しずつ伝えていくことで、正しい知識をつけていってほしいと思います。大きくなった息子が、周りの女性が生理でつらい思いをしている場面に遭遇したときには、思いやりの気持ちを持って接することができるようになってほしいです。
著者/大岡むぎ
イラスト/もふたむ
監修/助産師 松田玲子
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