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「おまたに違和感が…」老化?病気?すぐ受診すべき?何科を受診?治療できる?【医師解説】

体の中でも特にデリケートな股間ゾーン。ここに少しでも違和感があると、気持ち悪いですよね。そして、場所が場所だけに病気なのか、老化なのか気になるものの、周囲に相談もしにくいもの。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に「おまたに違和感」があるときはどんな原因が考えられるのかを聞きました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師駒形依子 先生
産婦人科 | こまがた医院院長

東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
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こんな違和感はありませんか?

1つでもあれば「骨盤臓器脱」の可能性も

「おまたに違和感がある」という場合はどんな病気が考えられるのでしょうか。

 

「さまざまな可能性がありますが、以下のような症状が見られるときは『骨盤臓器脱』考えられます。

 

・ 陰部にピンポン玉のようなものが触れる

・ 座るとボールの上に座っている感じがする

・ 股間に何か挟まっている感じがする

・ 尿意が近い

・ 尿漏れをよくする

・ 尿が出にくい

・ 便秘が長引いている

 

以上のような症状は軽度の骨盤臓器脱に見られるものです。骨盤臓器脱は重度になると手術が必要になることもあります。1つでも気になる症状があれば、自分の体の状態を把握するために受診しましょう」(駒形先生)。

 

そもそも「骨盤臓器脱」とは?

骨盤底筋群

 

腟から膀胱、直腸、子宮などが飛び出してくる

「骨盤臓器脱」とはそもそもどんな病気なのでしょうか。

 

「骨盤内にある子宮、膀胱、直腸は骨盤底筋群という筋肉で支えられています。しかし、何らかの原因で骨盤底筋群が緩むことで子宮、膀胱、直腸を支えられなくなり、臓器が腟から外へ出てきてしまうのです。

 

出やすい臓器は膀胱、直腸、子宮の順で、1つだけでなく複数出てしまうことも多いです」(駒形先生)

 

どんなことが原因になるのでしょうか。

 

加齢と出産ダメージが最大の要因です。経産婦の4割以上が発症するとされていて、40代以降から増え、60代、70代がピークです。他に肥満や便秘、重いものを持つ仕事なども主な原因になります。また、悪い姿勢を続けていることも原因になります」(駒形先生)。

 

 

どの科を受診する?

受診

 

婦人科か泌尿器科を受診

「受診をするなら、婦人科か泌尿器科が良いでしょう。40代、50代であれば重度の方はまだ少ないのですぐに手術となることはまれだと思います。ちなみに重度の症状は以下のようなものです。

 

・ 下がった臓器を指で押しても戻りにくい

・ 常に股の間に何か挟んだような感じで歩きにくい

・ 臓器が1日中下がって下着にすれて出血する

 

重力の影響を受けるため、寝ている間は骨盤内に臓器が戻っていても、日中は立つことが多いため時間経過とともに臓器が下がってきます。午後になると特に症状を強く自覚しやすいのが特徴です」(駒形先生)。

 

軽度なら骨盤底筋群体操で今以上の進行を防ぐ

体操

※骨盤底筋群体操のイメージ

 

受診をするとどのような治療がされるのでしょうか。

 

「実は、骨盤臓器脱はある程度進行してないと治療ができないのです。軽度の場合は緩んだ骨盤底筋群を鍛える、骨盤底筋群体操という筋トレを指導します。これは1セット10回の体操を1日3回というトレーニングで、予防するためには継続しないといけません。

 

それなら受診しなくても良いか、と思われるかもしれませんが思わぬ病気が見つかることもあるので、気になる症状があれば早めに相談したほうが安心です」(駒形先生)。

 

重度の場合は、引っ込めるか取るかの二択

重度になるとどんな治療があるのでしょうか。

 

「出てきてしまう臓器を引っ込めるか取るかの二択になります。

 

引っ込める方法としては、「リングペッサリー」「サポート下着(フェミクッション)」があります。

 

リングペッサリーは小さなものなら5~6cm、大きなものなら10cmくらいのサイズで、腟内に挿入してフタをする器具です。

 

フェミクッションは腟に挿入するのではなく、臓器が腟内に戻っている状態で腟口をクッションで押さえ、ホルダーとサポーターで押し上げる下着です。

 

手術なら、人工のメッシュを入れて骨盤内の臓器を引き上げる経腟メッシュ手術があります」(駒形先生)。

 

臓器を取る手術にはどんなものがありますか。

 

「子宮を取り除き、腟壁を縫い合わせる腟式子宮全摘術+腟壁形成術、腟の入り口を閉じて縫い合わせる腟閉鎖術などがあります」(駒形先生)。

 

一般的にはリングペッサリーで引っ込めながら骨盤底筋群体操を続けるという治療がおこなわれますが、それでも改善されない場合、手術となるそうです。手術を受けるのは70代以降が中心で、経腟メッシュ手術は泌尿器科で、腟式子宮全摘術+腟壁形成術、腟閉鎖術は婦人科でおこなわれるそうです。

 

まとめ

骨盤臓器脱はその性質上、恥ずかしいからと受診を控えるうちに重度になって受診するケースが多いといいます。しかし、重度になると治療の選択肢は引っ込めるか取るか。軽度のうちに、それ以上進行しないようにできることを続けることがベストではないでしょうか。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 

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取材・文/mido

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