Aくんが息子にマウントをとる本当の理由
年長の息子とAくんは、同じクラスの仲の良い友だちです。Aくんはしっかりした性格で、何でもできる優等生タイプ。一方息子は、おっとりしていて不器用なタイプと正反対の2人ですが、毎日仲良く遊んでいる模様。
しかし、Aくんにはひとつ気になるところが……。それは、事あるごとに息子に対してマウントをとってくること。たとえば「◯◯くん(息子)は、ひらがな書けんやろ。僕は書けるよ」「僕は英語もできるよ。◯◯くんは英語なんか知らんやろ?」といった感じです。息子はそのことに対して「Aくんはすごいなー」とニコニコするだけ。
そんなある日、公園でAくん親子と遊んでいたときのことです。Aくんはジャングルジムの頂上に登り「僕はここまで登れたよー! ◯◯くんは来られんやろ」と息子に向かって叫んでいます。息子は怖がりで、普段は途中までしか登れません。しかしその日は「僕も登れるよ!」とAくんの後を追って登り始めました。私は「怖かったら、すぐ降りてきてね」と見守っていましたが、息子はなんとか上まで到着。すでにAくんは地面に降りていました。すると息子が「怖くて降りられない……」とひと言。それを聞いたAくんは、すばやく息子のところに向かって登り始めたのです。
「僕が先に降りるからついてきて」と息子を気にしながら、2人で一緒に降りることに成功。私と息子が「一緒に降りてくれてありがとう! Aくんすごいね」とお礼を言うと、Aくんは「困ったときは僕が助けるよ!」と得意げな表情。さらに息子が「Aくんは何でもできてすごいね」と褒めると、Aくんも「いつもすごいって言ってくれるから、僕もっと頑張る!」とうれしそう。このとき、Aくんは息子の「すごいね」の言葉を聞きたくて、得意げに話しているだけなんだと気づきました。大人の目線でマウンティングをしていると感じてしまったことを反省し、もっと子どもの目線に立って物事をとらえることも必要だと思った出来事です。
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作画/Pappayappa
著者:若葉みゆき
12歳・9歳・6歳の3人の子どもを育てるママ。40歳を過ぎてから体調が万全の日が年に数回しかないことが悩みの種。子どものパワーに圧倒されながらも、なんとか日々暮らしている。