勝手に進んでいく話
和やかなムードで食事をしていたところ義母が突然「孫ちゃんの名前を考えたの!」といくつか男の子の名前を発表し始めました……! 最初は義母が提案する名前候補を微笑ましく聞いていたものの、私たち夫婦に相談というわけではなく、「いいね」「この名前はどう?」と親戚たちもノリノリに。そのまま名前を決定するような雰囲気で話が進んでしまいました……。
こちらから名前の候補を出してもらうようお願いしたわけでもなく、夫もただ笑って聞いているだけ……。思い込みが激しい義母なので、このまま勝手に名前を決定して出生届を出してしまうのではないかと、とても不安になりました。署名しなければよいとわかっていても、義母の勢いはただただ私の不安を掻き立てるばかりだったのです。
この場を逃げ切るには、議論を終わらせるしかない!と感じた私は「2人で考えている名前があるんですが、秘密です!」と言って流れをシャットアウト。夫婦で決めた名前は、出生届を出してから親戚に発表しました。
あの時、義母の提案を制止しなければ、わが子の名前がどうなっていたかわかりません。「秘密です!」と声を上げたのは緊張の瞬間でしたが、義母が勝手に話を進めないように予防線を張ることができたので勇気を出してよかったと思っています。
イラスト/はたこ
著者:土井もも
2022年4月生まれの男の子の母。育休中に一念発起し起業。オンラインショップを運営する。