みなさんがお住まいの地域の待機児童の数はどのくらいでしょうか?隠れ待機児童を含むと、本当の意味での待機児童ゼロの地域は少ないのでは?とさえ感じます。保育園問題は、働く親の最大の問題。今回は、新しい対策について触れたいと思います。
企業型保育所とは?
企業型保育所は、正確には企業主導型保育所といい、認可外の保育所になります。一定の基準を満たせば認可並みの補助が受けられ、複数企業が共同で設置できるほか、職員に占める保育士の割合を認可保育所よりゆるくできるなど、企業が整備しやすい仕組みになっています。
従業員が主な対象ではありますが、その地域の子どもを受け入れる「地域枠」というものがあり、現在は「総定員の2分の1以内」とされています。ただし、従業員枠に空きがあれば2分の1を超えた受け入れを認めるとのこと。地域住民が利用しやすくなるよう検討される模様です。
企業型保育所の増設へ
松山政司少子化担当相は8月15日の閣議後の記者会見で、「企業主導型保育所」の定員について、当初計画より2万人増やし、2017年度末までに計7万人にすると発表しました。
政府は2020年度末までの待機児童の解消を目指し、2018年度からの3年間で保育の受け皿を22万人分整備するとの目標を掲げています。このうち2万人分を企業型保育所の定員の増加とし、今年度中に実施する方針を決めました。
企業型保育所のメリット・デメリットは?
企業にとっては、政府からの手厚い補助により少ないコストで保育所が整備でき、ワーキングマザーを採用するうえで強みとなります。また、保活問題をかかえる親からしても、保育所が完備されているのであれば助かります。
しかし、保育士配置の要件が認可保育所よりゆるく、行政の事前チェックが手薄になりかねないのでは?との声もあがっています。保育施設での死亡事故件数は、認可施設より認可外施設の方が圧倒的に多いという意味でも、不安に感じる親も少なからずいるでしょう。
保育所が増えれば、待機児童の数も減ると思います。ただ増やせばいいってわけじゃない!と思うママもいらっしゃるでしょう。まだまだ、ひと筋縄にはいかないものの、今後もいろいろな形で対策が考えられていくということは、とてもありがたいことですね。(TEXT:東 裕子)