「えっ」彼から渡されたまさかのプレゼント…「別れ」を意識するキッカケになるなんて

 

私が当時付き合っていたバンドマンである彼は高身長でイケメン。歌っている姿はとにかくカッコよく眩しかったです。誕生日には彼が作詞作曲をしたラブソングを贈ってもらうこともあり、彼に惚れていた当時の私は彼からのラブソングのプレゼントに感動して涙したことも。

 

しかし、彼のバンドマンとしての活動はなかなか結果には結びついておらず……。私自身、ちょうど結婚適齢期と言われる年齢で、彼のことは好きだったのですが、ふと「彼と結婚したら……」と考えると、経済的な不安を抱くこともありました。

 

そんなとき、彼との「別れ」がちらつくようになった出来事が。それはクリスマスシーズンのこと。彼から「クリスマスプレゼントは何が欲しい？」と聞かれ、ちょうどバッグが欲しいと思っており「バッグが欲しい」と伝えた私。「わかったよ！」と彼は言ってくれ、私は当日を楽しみにしていました。しかし、クリスマス当日、彼からプレゼントされたのは、ひと目で激安品だとわかるチープで汚れたかばんだったのです。

 

もちろん、ブランド物や値段の高いものを期待していたわけではありません。彼が経済的に余裕があるわけではないこともわかっています。ただ、数百、数千円で買ったであろう汚れたバッグを見て「彼女である私の価値はこの程度ということなのか……？」と悲しくなってしまったのです。そして、そんなことを考えてしまう自分にも嫌気がさしました。

 

彼との今後がより不安になる出来事があり、私は思い切って彼に「結婚相手に求めること」を尋ねてみることにしました。すると、彼から返ってきたのは「俺と一緒に苦労してくれること！」という言葉で……。お互いに一緒に頑張り合えることは素敵だと思います。でも私は「結婚してもこの不安が続くということ？」「そんなの嫌だ（涙）」と思ってしまい、このとき私の中で彼への思いがスッパリなくなってしまったのです。

 

 

そして私からお別れを告げる形で、私たちは別れることとなりました。彼は素敵な男性ではありましたが、彼との「結婚」を考えた際不安になることばかりで、彼との結婚生活のビジョンがまったく持てませんでした。彼との別れから10年。いまだメディアで彼の姿を見ることはありません。もう直接支えることはありませんが、彼らしく頑張ってくれたらなとも思っています。

 

原案／ドンまい さん
イラスト／赤身まぐろ