遅くなった日の夕ごはん
結婚してまだ間もないときの話です。このころ、結婚式を控えていた私たちは休日になると結婚式や結婚式の二次会の打ち合わせに出かける日々を送っていました。この日も結婚式の打ち合わせが長引き、帰宅時間がすっかり遅くなってしまいました。
帰宅が遅くなるときは外食が続いていたこともあり、この日は久しぶりに家でごはんを食べることに。帰宅して冷蔵庫を覗くとやきそばがありました。今から炊飯器をセットしておかずを作るとなると遅くなってしまうと思った私は、「今日はやきそばでいいかな?」と夫に聞いてみました。
「やきそば」に「ごはん」で揉める
すると、夫から返ってきたのは「え、やきそばだけなの? ごはんも炊いてよ」というひと言。その返事に炭水化物に炭水化物ってこと?と私はビックリ。ただ、早くごはんを食べたい思いで「やきそばでいい?」と聞いたこともあり、「今日はもうこの時間だし、ごはんは炊きたくない」と返しました。
しかし夫は納得できないようで「やきそばだけじゃ足りないよ。ごはんを炊くのが面倒くさいの?」と言うのです。ごはんを炊いたとして私はやきそばと一緒には食べないですし、夫だけのためにごはんを炊くのは申し訳ないですが正直、面倒です。
そこで、冷凍庫に余り物のごはんがあったことを思い出した私。夫に冷凍のごはんでもいいか聞いてみると「いいよ」と言うので、それで手を打つことになりました。さらに「麺もたくさん食べたい」と言われたので、結局、やきそばも3玉分作ることに。
想像していたやきそばじゃない?
私は野菜や肉、魚をバランスよく取り入れた食事をしたい思っていて、やきそばを作るときも、何種類もの野菜をたっぷり入れて作るようにしています。野菜は炒めると水分が抜けて小さくなってしまうのですが、それでもやきそばの全体量の3分の1は野菜になるようにしています。また、やきそばを食べるときには食感も良いので、目玉焼きを添えるようにしています。
この日のやきそばは3玉使ったので結構な量になりました。そして出来上がったやきそばを見た夫からは……「すごい! これ、やきそばなの?」とテンションの高い反応が返ってきました。
どうやら、夫が実家で食べていたやきそばは、「基本的には麺だけで、たまにキャベツが入っているときもあるくらい」の物だったよう。そのためか、主食というよりおかず的にごはんと一緒に食べることが多かったようなのです。自分が今まで食べていたものとはまったく違うやきそばが出てきて、夫は非常に驚いたようでした。
大皿に盛り付けた3玉分のやきそばは、ほとんど夫によって完食されました。やきそばと一緒に冷凍のごはんも平らげてしまったので、結婚して一緒に住み始めたばかりの私にとっては、「夫ってこんなに食べるんだ……」と驚きでもありました。
思えば初めて夫にやきそばを作ったときのはこのときだったと記憶しています。ごはんを炊くか炊かないかで多少揉めましたが、結果的に夫が満足してくれてよかったです。夫がたくさん食べることにも驚きました。この一件から、毎回サッと夫の分だけでもごはんを用意できるよう、冷凍庫に常にごはんのストックを作っておくようにしています。
著者/堀川京香
イラスト/sawawa
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