楽しみにしていたテーマパークなのに…
友人たちとテーマパークへ行った日は、私にとって生理3日目でした。この日は真冬だったこともあり、屋外は寒く体が冷えて、強い生理痛を感じていた私。普段、生理痛をあまり感じないタイプのため、鎮痛薬は持ち歩いておらず、とはいえ男性の友人もいる中で「生理で……」と言い出すことができませんでした。そのため、ただただ痛みに耐えるしかなくて……。
そして、あるアトラクションの列に並んでいた際、あまりにもおなかの痛みが強く、冷や汗が出てくるほどに。きっと顔色も悪かったのでしょう。女性の友人が、男性たちに気づかれないようこそっと「どうしたの?」と声をかけてくれました。
そこで「実は……」と生理中であり、生理痛がひどいことを伝えると……その友人は「ちょっと行ってくるわ」と言ってひとり列を抜け、どこかに行ってしまいました。
ぬいぐるみを抱っこせよ!?
しばらくして帰ってきた彼女が抱えていたのは、まさかのテーマパークで売られているぬいぐるみでした。そして彼女は、「これプレゼント」とそのぬいぐるみを私に差し出してきたのです。「背中を自分のおなかにつけるように抱っこしてね」と言われ、意味もわからず抱っこすると、ぬいぐるみの背中が当たった私のおなかがなんだかじんわり温かい。見ると、なんとぬいぐるみの背中の部分にカイロが貼ってあったのです!
その後、アトラクションの列から私と女性の友人は抜けることに。ベンチに座って男性の友人たちの帰りを待つことにしました。ぬいぐるみを抱っこしているだけで体がじんわりと温まり、少しずつ生理痛みが和らいでいくような気が。
その後、私はぬいぐるみを抱きながらテーマパークを楽しみました。あの日、男性の友人にバレずにピンチを乗り切ることができ、楽しく過ごせたのは紛れもなく彼女のおかげです。
私の「周囲にバレたくない」という気持ちを、彼女も察してくれたのでしょう。それでとっさにぬいぐるみの背中にカイロを貼るという方法を思いつき、行動に移してくれたのかなと感じています。彼女のアイデアに脱帽してしまいましたし、本当に感謝してもしきれません。それ以降は、生理予定日がずれることも想定した上で、突然のことに焦らないよう鎮痛薬や体を温めるものなどを持ち歩くようにしています。
著者/山下 彗
作画/ちゃこ
監修/助産師 松田玲子
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