家具を買いに行くことに
私たち夫婦は同棲を経ずに結婚したため、家具も電化製品も、すべて買いそろえるところから結婚生活がスタートしました。
都内の大型家具店に出向いて、たくさんの家具が並べられているのを見ると、否応なしにテンションがあがり、私たち夫婦は大興奮! まずはカーテン、次はベッド……と、2人で家具を選ぶのはとても楽しくて、まさに新婚夫婦の一大イベントという感じがしました。
終始なごやかな雰囲気で家具選びを進めていきましたが、食卓を選ぶときになって、お互いの好みの違いにびっくりさせられました。
ちゃぶ台かダイニングテーブルかで大論争!
私が選んだ食卓は、ちゃぶ台型の丸いローテーブル。夫が選んだものは、いわゆる一般的なダイニングテーブルです。
私の家庭は長年ちゃぶ台を使用していて、勉強机以外は椅子がないという家庭。一方、夫は一般的なダイニングテーブルを使っている家庭だったため、「テーブルと椅子がない生活は考えられない!」という感じでした。
ラブラブな雰囲気で家具を選んでいたのに、食卓の趣味があわず、一気に険悪なムードに……。私は、ちゃぶ台を家族で囲んで食事を楽しみたいと考えているのに対して、夫は書き物など作業することを考えると絶対に机と椅子が欲しいと一歩も譲らず。
結局その日は決着がつかず、食卓選びは保留になりました。
母の鶴の一声で決着
その後、私はすぐに母に相談しました。夫と食卓の趣味があわなくてイライラしていることや、実家のようなぬくもりあるちゃぶ台を自分の家にも置きたいことを愚痴ったのです。
母は黙って話を聞いていたのですが、私が話し終わってから「でも私ね、最近床に座ると足が痛くなってきたのよ……」とポツリ。 まだまだ若いと思っていた母ですが、年を重ねてからは、床に座る生活がきついというのです。
「私があなたの家に行くときに、ゆっくり座れるようにしてほしいな」とやさしく母に言われ、気持ちが変わりました。お互いの両親のこともを思いやって、祝福されるような家庭にしたいなと感じたのです。
家に帰ってから夫にそのことを話し、お互いの両親のためにも、ダイニングテーブルを買うと決めました。
私にとっては、ちゃぶ台こそがあたたかい家庭の象徴だったのですが、お互いのことや両親のことも思いやって、臨機応変に変えていかなきゃと気づかされた出来事です。
著者/中野 迷子
イラスト/マメ美
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