株式や投資信託の利益を非課税にできる、NISAの制度ができて4年、ジュニアNISA制度ができて2年が経とうとしています。今までの制度に加えて、2018年1月から“つみたてNISA”が始まりますが、2017年10月から銀行や証券会社などで受け付けが始まります。
この“つみたてNISA”が、子どもの将来の学費の準備に活用できるポイントを説明したいと思います。
1.つみたてNISAは投資初心者向けの制度
つみたてNISAは、最長20年間、毎年40万円までの積立投資についての利益を非課税にする制度です。利益は購入した投資信託などを現金化した際に発生しますが、その際の利益に税金がかからないのがこの制度を含めてNISAのメリットです。
通常は、利益の20.315%が所得税・住民税としてかかります。 また、このつみたてNISAで選べる投資商品は、時間をかけて投資するものを中心に構成されているので、選びやすいのもメリットです。値動きが大きいものや手数料が高いもの、内容が複雑なものは含まれていませんので、投資の基本が分かれば、従来のものより継続しやすい制度と思われます。
ジュニアNISAでも同様のことは可能ですが、子どもが高校3年生の1月を迎えるまで引き出しができませんので、これから積立投資を始める方は、つみたてNISAから始めてみるといいでしょう。以下、従来のNISAとジュニアNISAとの相違点を表にしております。
※1 実際には、3⽉31⽇時点で18歳である年の1⽉1⽇以降(現役入学の⾼校3年⽣の1⽉以降)に払出制限がなくなります。
2.つみたてNISAだけで学費準備をする場合には死亡保険の確認を
子どもの学費準備には、学資保険や積立型の保険(終身保険・外貨建保険・変額保険等)を用いることもあると思います。毎月決まった金額を将来に向けて積立をする点は変わりがありませんが、つみたてNISAは保険ではありませんので、子どもが幼いときに親が亡くなった場合の保障はありません。
そのため、つみたてNISAだけで学費を準備する場合には、万一の際を考え、死亡保険(定期保険・収入保障保険等)の保険金で将来の学費が足りているかを確認するようにしましょう。 学資保険や積立型保険にしても、つみたてNISAにしても、定期預金の積立にしても、メリット・デメリットがあります。
お手間でなければ一つの積立方法ではなく、複数の方法で積み立てをしてもいいと思います。目的や経験に基づいて無理のない積立方法を考えてみましょう。 NISAやジュニアNISAが始まる前後に、商品券やプリペイドカードなどをお渡しするキャンペーンがありましたが、今回も同様のキャンペーンが予想されます。
景品だけに惑わされず、子どもの学費を無理なく継続的にできる制度や投資先を考えてから始めるようにしましょう。10月以降、具体的な内容が各金融機関から発表されますので、興味のある人はご確認ください。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。