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どちらの命を助ける?ドラマ『コウノドリ』第2話を振り返る!【前編】

こんにちは!助産師のREIKOです。10月13日(金)から始まったTBS系の金曜ドラマ『コウノドリ』。気になる第2回目の放送は、妊娠19週で子宮頸癌が判明した妊婦さんのお話でした。

 

こんにちは!助産師のREIKOです。10月13日(金)から始まったTBS系の金曜ドラマ『コウノドリ』。気になる第2回目の放送は、妊娠19週で子宮頸癌が判明した妊婦さんのお話でした。

 

赤ちゃんがママの病気を教えてくれた

妊娠が確定すると、定期的におこなわれるようになる妊婦健診。妊婦健診の初回の検査で血液検査とともにおこなわれるのが、「子宮頸癌検診」です。子宮の入り口(子宮頚部)の細胞を綿棒でこすり取って、細胞の状態を調べます。

 

がん検診の必要性はわかっていても、なかなか産婦人科に足を運ぶのを躊躇してしまう女性も少なくありません。妊婦健診ではじめて検査をするという方もいらっしゃいます。ですので、ドラマに出てきた土村 芳(つちむら かほ)さん演じる久保佐和子のように、妊娠中に子宮頸癌がわかる場合もあるんです。

 

では、妊娠中に子宮頸癌と診断されたらどうするのでしょうか?やはり、がんの進行状況によって、方向性が大きく変わっていきます。私が働いていた病院でも赤ちゃんをあきらめてすぐに治療に入るケース、円錐切除術をおこない、妊娠を継続するケースなどさまざまでした。

 

夫婦に伝えられた選択肢は?

癌に侵された子宮頚部を円錐状に切り取り、さらに詳しい結果をおこなったところ、やはり結果はがんの治療が必要な状態でした。その結果を受け、綾野 剛さん演じる鴻鳥サクラは佐和子夫婦に、今後について説明をおこないます。

 

まず、円錐切除術では癌が取り切れなかったこと、赤ちゃんが生まれるまで経過観察という選択肢はないこと、治療には広汎子宮全摘出(子宮・子宮傍組織・膣上~中部を切除する方法)が必要で、そうすると次の妊娠は望めなくなることが伝えられます。

 

そしてそれを踏まえたうえで、どこまでおなかの中で赤ちゃんを育てて佐和子の治療をするか話し合わなければいけないこと、治療を最優先するならば赤ちゃんをあきらめるという選択肢もあるというお話をしました。

 

夫婦の思いは……

その日、初めて胎動を感じていた佐和子は、「産みたい」とサクラに伝えます。その言葉に、サクラは「全力でサポートします」と答えました。

 

一方、福士誠治さん演じる佐和子の夫は、佐和子が大事だからおなかの子をあきらめてもいいと佐和子に伝えます。すると佐和子は、子宮を取ってしまったらもう子どもは産めないから、離婚してもいいと……。その言葉に対し、夫は子どもを産める産めないで価値は決まらないこと、子どもを産んでもらうために佐和子と結婚したのではないことを伝えます。

 

母子の命を預かるのは産婦人科医だけではない

佐和子夫婦の選択を受け、サクラは、産婦人科と新生児科(NICU)のカンファレンスで、妊娠28週(8カ月)での出産を提案しました。しかし、星野 源さん演じる四宮先生は、せめて妊娠32週(9カ月)まで待つべきだといいます。それに対し、新生児科の医師たちもそれぞれの考えを伝えます。

 

今回の佐和子のような子宮頸癌のケース以外にも、赤ちゃんをいつ出産するか、という問題が生じるケースがあります。私が働いていた病院でも、ドラマ同様、産婦人科と新生児科(NICU)の医師がカンファレンスをおこない、方向性を決めていました。ママと生まれてくる赤ちゃんの状態を考え、それぞれの専門家が意見を交わし、チームとして機能していくということがとても重要だと思います。

 

 

その後、佐和子夫婦と再度話し合い、方向性を決めるということに。サクラと佐和子夫婦はどのような選択をしたのでしょうか?続きは後編でお話ししたいと思います。


著者:助産師 REIKO

医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

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