『コウノドリ』第3話「私はダメなお母さん?」を助産師が振り返る!中編

2017/11/01 12:00
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こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第3話の振り返り、前回は彩加がいなくなってしまう場面まで振り返りました。今回は、その続きからお話ししたいと思います。

 

こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第3話の振り返り。前回は、高橋メアリージュンさん演じる佐野彩加がいなくなってしまう場面まで振り返りました。今回は、その続きからお話ししたいと思います。

 

彩加はどうなっちゃうの!?

職場復帰を望んでいた彩加ですが、現実は厳しく、自分の存在意義にすら疑問を持つようになってしまいます。そして、彩加は赤ちゃんをペルソナ総合医療センターの受付においたまま、いなくなってしまいます。さらには、病院の屋上から飛び降りようとしていました。

 

そこに駆け付けたのは、星野 源さん演じる四宮先生。彩加は、「もうどうでもいいんです。誰にも必要とされていない。母親としてもダメ。わかんないでしょ」といいます。それに対し、四宮先生は「佐野さんの言うとおりですよ。俺にはあなたの気持ちはわからない。だから今あなたを引き留めているのは、俺のわがままです。まだ治療の道がある患者を放っておくことはできない」そして、「治療です。治ります。話したくなければ黙っていていい。ただ少しだけ話をきいてください」と声をかけながら、彩加に手を差し伸べます。

 

別々の人間だからこそ

四宮先生が差し伸べた手を彩加は握り、四宮先生もしっかり彩加の手を握りしめました。彩加は自殺を踏みとどまり、自分が産後うつにかかっている可能性が高いという説明を受けます。そこに彩加の夫が来院し、「どうしてこんなことを。言ってくれよ。夫婦は2人でひとつって母さんも言ってたじゃない」と声を荒げます。

 

すると四宮先生は、「なんだそれ。人間は2人でひとつになんかなれない。死ぬまでひとりだよ。たとえ夫婦でも別々の人間だからこそお互いを尊重しあう。それではじめて助け合えるんだろ」と。第1話の「手伝うじゃないだろ?あんたの子どもだよ」という言葉同様、少しぶっきらぼうながらも多くの人たちに共感を与えた言葉でしたね。

 

彩加が自殺するまでに追い込まれていたことを知る夫も反省したようですが、ここで注目したいのは、今橋先生による夫へのフォローです。今橋先生のフォローによって夫の心も救われたと思います。また、今橋先生の”自分も同じだ”という言葉によって、今回のできごとがこの夫婦だけではなく、誰もが陥る可能性のある問題だと言っているような気がしました。


小さなことだけれど、難しいこと

彩加を精神科の医師に繋げることができた、綾野 剛さんが演じるサクラと四宮先生。サクラは「本当に僕たち、産科医のできることは小さいね。ただ気付くこと、誰かに繋げることしかできない」と語ります。すると、四宮先生は「生まれた瞬間から赤ちゃんとお母さんの変化を見続けていく。それは小さなことじゃないだろ?」と答えていました。

 

多くの人が正常に経過する妊娠・出産だからこそ、しっかり見ていかないと、のちのち大きな問題になることもあります。気になることがあっても、なかなか対応が難しいケースもあります。気になるママの家庭訪問を、地域の保健師に病院のスタッフが依頼して保健師が家庭訪問しても、留守で会えないというケースも少なくありません。本当に問題があるケースは、なかなか表に出てこないことも多いんです。

 

「相談したいことがあるけれど、産科のスタッフはみんな忙しそうで、なかなか聞きづらい」という声を現場でもよく耳にします。たしかに忙しいときもありますが、やはり反省しなければなりませんね。でも、声をかけたスタッフがすぐに対応できなくても、そこはチームで仕事をしていますから、ほかのスタッフが対応できます。また、スタッフはいろいろな業務が重なったとき、どのように対応したらいいかというトレーニングも積んでいるので、遠慮なく声をかけていただきたいなと思っています。

 


「赤ちゃんが0歳なら、お母さんもお父さんも0歳ですよ」。サクラの言うとおりです。0歳ならできないことが多くても、わからないことがあっても当然で、誰かの助けを借りることもいけないことではありません。子育て中は、赤ちゃんのことばかりに気がいってしまって、なかなか余裕がないかもしれません。そんなときは、いったんまわりを見渡してみてください。きっと手を差し伸べてくれている人がいると思います。

 

 

後編では、まわりの人の話やジンクスに振り回されている、川栄李奈さん演じる山崎麗子のお話について、無痛分娩について触れながら振り返りたいと思います。


著者:助産師 REIKO

医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。


  • わたしも壮絶な産後うつにかかり、治療をして完治しました。私の場合、産科の先生に相談しても知らん顔、助産師さん達も見て見ぬふり。
    現実を見た気がしました。幸い、とても、素晴らしい心療内科の先生に出会うことが出来ましたが、あのままだったらと思うとゾッとします。妊婦健診では体重管理ばかりを指摘され、悩んでいるママさん達もたくさんいました。出産中の不安定な気持ち、産後うつになる要因、また誰にでもあり得る事などは一切話題にあがりませんでした。自治体のマタニティ教室も然り。出産はゴールではありません。始まりなのです。本来は、妊娠中、人生の中でいちばん穏やかで、ゆったりとした、神秘的で、リラックスしか存在しない時間を過ごすのが当たり前なのだと思います。これからは、産後ケアのみではなく、プレママから、正しい知識を学び、子育てに取り組めるようにもっと発展しなくてはいけないと思います。

    2017/11/01 20:04
  • 産後うつ、診察や病院にこそかかってはいないけれど、皆さん少なくとも経験しているのではないかと思います。社会に必要とされていない、私なんていらない、自分の価値や存在が感じられない時期がありました。何気ない友人の一言、同僚の一言、母や兄妹の一言、夫の一言で救われると思うのです。少しずつですが、脱出できるかそのままうつになってしまうのか分かれ道が誰しもあるのだと思います。社会で妊婦や母親の肩身が少しでも生きやすくなることを願います。

    2017/11/02 06:36
  • 13年前、私は軽くノイローゼにかかってたと思います
    両親は当時共働きで産後里帰りはしたけど母と毎日衝突で心休まらず、退院後2週間で帰宅
    初産で慣れない育児、周りに先輩ママもおらず、情報は育児雑誌とネット
    近所で数カ月遅く生まれた子は順調良く離乳食進んでるのに、うちは食べない…と悩む毎日
    ゆっくり育つ我が子を見ながら毎日泣いてました
    今ではその子なりの成長だったと理解は出来るのですが、当時はどうしても比べてしまい、少しでも遅いとウチの子は…?と焦ってましたね

    8年前に2人目が誕生死しましたが、その4年後に3人年子で生まれ今は10年ぶりに育児奮闘中です
    上の子は手伝いもしてくれるし通学のこともあるので、3人とも里帰りはやめました
    自分が歳を取ったのもあるんだろうけど、今ではネット情報は参考程度に聞き流して(比べてしまう自分がいるので雑誌の購入はやめました)、ゆったりした気持ちで子育て出来てると思います

    2017/11/02 09:14
  • 妊娠中は、体重管理や赤ちゃんの成長具合。産後も、赤ちゃんの成長具合。妊娠出産育児は、ほぼ、赤ちゃんが焦点に。母体にも産後1ヶ月健診がありますが、ここでは子宮の回復状況をチェックするため。ママ自身のケアを、とくに精神状態、や普段の生活など把握する為の健診や機会が世の中に増えるといいです。

    2017/11/02 10:14
  • 私は子育てそのものや、夫の子育てへの協力は初めてながらも有り難さを感じながら行うことができました。実家の両親の有り難さも身にしみました。悩んだこと、それは義理の両親の孫フィーバー。可愛がってくれるのはありがたいことですが、配慮が足りないと感じることも多く、また夫に訴えても両親に言ってもらえず...しばらく我慢しましたが、2人目が1歳になる頃に私は爆発。心療内科にかかったり、メニエール病やバセドウ病も発覚、心身ともにボロボロでした。お互いの両親も巻き込む事態となりましたが、義理の両親は私の気持ちを理解してくれませんでした。夫も見方になってくれず、本気で離婚を考えるところまで行きました。今は義理の両親と距離を置き、夫婦関係は良好ですが、こういうストレスもあります。なかなかわかってもらいにくいですが。今から思えば、産後うつに近いものがあったのかもしれないと思います。

    2017/11/02 21:26

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