『コウノドリ』第3話「私はダメなお母さん?」を助産師が振り返る!後編

2017/11/02 12:00
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こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第3話の振り返り。前回・前々回では、「産後うつ」という重いテーマについて振り返っていたら長くなってしまいました。しかし、川栄李奈さん演じる、まわりの人の話やジンクスに振り回されている山崎麗子のお話も振り返らないわけにはいきません。

 

こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第3話の振り返り。前回・前々回では、「産後うつ」という重いテーマについて振り返っていたら長くなってしまいました。しかし、川栄李奈さん演じる、まわりの人の話やジンクスに振り回されている山崎麗子のお話も振り返らないわけにはいきません。

 

「心疾患合併妊娠」

麗子は肺動脈狭窄症の治療後で、自然分娩は難しく、母体に負担の少ない無痛分娩で出産する方針がすでに説明されていました。ところが、麗子は聞いていないといいます。そこで再度、綾野剛さん演じるサクラが、無痛分娩の必要性を説明します。

 

医療技術の進歩に伴い、心疾患を合併した妊婦さんは今後増えてくるといわれています。心疾患を合併していても、何ごともなく出産を終えるケースが多いといわれていますが、やはり、妊娠中からじゅうぶんな経過観察が必要になります。
 

麗子の分娩方針「無痛分娩」

心疾患を合併している妊婦さんは、一般的に、ママの産道を通って赤ちゃんが生まれてくる経腟分娩が推奨されています。私が働いていた病院でも、心疾患を合併している妊婦さんの分娩方針は経腟分娩で、心疾患を合併しているママが無痛分娩となるケースに私はあたったことはありませんでした。

 

無痛分娩のニーズは高まってきているものの、平成28年度にあったすべての分娩のうち、無痛分娩の件数は6.1%だったとのこと。私が働いていた病院も、無痛分娩が必要と判断されるケースにのみ無痛分娩がおこなわれていました。

 

平成28年度におこなわれた無痛分娩のうち、53%が診療所(クリニックや医院など)で取り扱われたとのことです。無痛分娩の件数はじょじょに増加傾向にある一方で、無痛分娩に伴う事故と考えられるケースも最近取り上げられるようにもなっています。ドラマの中で星野源さん演じる四宮先生が話していたように、産科麻酔の専門医の不足、緊急時の体制強化など、無痛分娩に関してクリアしなければならない課題がまだまだあるように思います。


なにを信じる?

その後も、麗子は周囲の人たちの根拠のない話を信じ、サクラたちを困らせてしまいます。

 

日本だけでなく、お産にまつわるジンクスや迷信はたくさんあります。そして、情報社会と言われる現代、ジンクスや迷信だけでなく、さまざまな情報がかんたんに得られるようになっています。麗子同様、いろいろな情報に振り回され、不安になったり、自分のからだに負担をかけてしまうケースも少なくありません。

 

たくさんある情報のなかには間違った情報もあります。しかし、どの情報が正しくてどの情報が間違っているのか、判断するのはなかなか難しいと思います。そんなときは、やはりかかりつけの産院に確認するのがいいと思います。
 

○○じゃなきゃダメ?

無痛分娩当日、友人の言葉を信じた麗子は、無痛分娩をやめたいと言い出します。それに対し、サクラは予定通り無痛分娩でおこなうことを麗子に伝えます。

 

日本における「自分のおなかを痛めて産んでこそ……」という考えは、今でも根強く残っています。その結果、無痛分娩を選択したり、帝王切開で出産したママたちに罪悪感を抱かせる要因にもなっています。

 

しかし、喜屋武 豊さん演じる麗子の夫の「痛みがなきゃ愛情が生まれないっていうんなら、俺たち男はどうやって父親になればいいんだよ」という言葉、そして、サクラの「自然分娩も帝王切開も無痛分娩もりっぱな出産です。はぐくむ気持ちや愛情は、僕たちではなく、赤ちゃんが教えてくれますよ」という言葉のとおりだと私も思います。


出産方法だけでなく、母乳育児に対する考え方も同じことが言えるような気がします。たしかに母乳育児にはいろいろなメリットがありますが、周囲の意見に振り回され、ママが追い込まれてしまうような状況になってしまっては、本末転倒です。やはりママと赤ちゃんが笑顔でいられることがいちばんです。ベビーカレンダーでも、日々、ママが必要としている正しい情報をきちんと伝えられるようにしていきたいと、改めて感じます。

 

 

次回の『コウノドリ』第4話は、帝王切開後の経腟分娩(TOLAC)を希望する妊婦さんのお話。TOLACに対するママやサクラ、そして四宮先生の思いとは!?第4話も見逃せません!!


著者:助産師 REIKO

医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。


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