賛否両論「TOLAC」ってなに?『コウノドリ』4話を振り返る【後編】

こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第4話の振り返り【前編】では、「TOLAC」について、周産期医療に携わる人員不足の現状についてお話ししました。今回は安めぐみさん演じる連の出産がどうなったのか、振り返ってみましょう。

 

こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第4話の振り返り【前編】では、「TOLAC」について、周産期医療に携わる人員不足の現状についてお話ししました。今回は、安めぐみさん演じる秋野 連の出産がどうなったのか振り返ってみましょう。

 

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いよいよ!?

TOLACという方針が決まった安めぐみさん演じる連は、イライラすることも減り、毎日を過ごしていました。そしてある日、陣痛が。病院に着き、連を迎え入れる吉田 羊さん演じる小松留美子助産師に、前野朋哉さん演じる夫が「生まれるのって何時くらいですかね」と尋ねます。この日、夫は屋形船に乗って飲み会をする予定が……。

 

母子ともにリスクのある出産にこれから臨もうとする状況で、この夫はなにを言っているんだ!と思った方も多かったようです。実際の現場でも、入院直後にご本人やご家族に「いつ生まれますか?」と聞かれるのは日常茶飯事ですが、出産はどう変化するかわかりませんので、「いつ」ってなかなかはっきりとは言えないものです。

 

「ママ、がんばってる」

長時間、陣痛に耐える連ですが、なかなかお産は進みません。綾野剛さん演じるサクラが今の状況は母子にとっていい状況とは言えないことを連に伝えます。しかし、連は「私はがんばって下から産むの!がんばっていい母親になるの!美奈ごめんね。ママ、もっといいママになるからね」と、経腟分娩にこだわります。

 

すると、娘の美奈ちゃんは「もうがんばってる……。ママ、がんばってる」と言って泣き出してしまいます。そして、屋形船発言をしていた夫も、出産の大変さを知り、「もうじゅうぶんがんばったよ。連はいい母親だよ」と伝え、連は帝王切開に切り替えることに承諾しました。

 

今回、連がTOLACを希望したことに対し、ドラマの中でも賛否両論ありました。できることならママの希望に沿ったお産になるようお手伝いをしたい。でも、ママと赤ちゃんの安全が第一。実際の現場でも、私たちはそう思いながら、一つひとつのお産にかかわっています。ママの思い描いたような結果にならなかったとしても、その後きちんとお産を振り返り、ママが今回のお産を肯定的にとらえられるようなかかわりも大切だと思っています。

 

Jr.くんにも気持ちの変化が……

痛みに耐える連を見て、どうしてそこまで経腟分娩にこだわるのかと宮沢氷魚さん演じる研修医の赤西は、四宮先生に疑問を投げかけていました。そんな赤西先生に、サクラは帝王切開の前立ちを提案します。前立ちというのは、執刀する医師に続く、第一助手と呼ばれるポジションです。

 

実家が産婦人科の赤西先生ですが、最初から産婦人科医にはならないと言っていました。今回も、病棟が忙しいのに定時で帰る姿もありました。しかし、無事に生まれた赤ちゃんを前に、誰よりも早く「おめでとうございます!」と連に言葉をかけていました。連の姿や家族の思い、元気に生まれてきた赤ちゃんを通じて、赤西先生の気持ちにも変化があったのでしょうね。

 

私も看護学生のときに出産に立ち会ったことがきっかけで助産師になりました。出産はとても感動的でしたが、それ以上に、ひとつの命を無事に生み出すためにスタッフが連携し働いている姿がとても印象的だったんです。赤西先生の次の研修先はNICU。またちがった視点でママと赤ちゃん、そのご家族とかかわるようになるでしょう。今後、赤西先生がどのような道を選ぶのか気になります。

 

産み方で愛情は変わる!?

第3話でも無痛分娩のことがテーマに取り上げられていましたが、連が言っていたように、「陣痛を感じて産道を通して産むと子どもへの愛情が違う」とか「痛みから逃げた、楽して産んだ、だから上の子どもの子育てもうまくいってない」と思っている方は少なくないのではないかと思います。

 

私は帝王切開が楽な出産方法だとは思いません。出産前後の違いはあれど、痛みだってあります。間違った認識や思い込みが、帝王切開を受けたママたちに罪悪感や後悔の気持ちを抱かせている一因にもなっているのではないかと思います。

 

 

産科は、新たな命の誕生に対し、「おめでとう!」とよろこびを分かち合える診療科です。順調に経過し、元気に赤ちゃんが生まれ、ご家族と一緒に退院する……。多くのケースがそうですが、思いもよらないことが起こるのが、妊娠・出産です。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第5話は、切迫早産がテーマになるようです。次回もどのような展開になるのか、注目していきたいと思います。

 


著者:助産師 REIKO

医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

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