新しい場所でスタートした矢先に
賃貸ですが眺めの良いマンションに引っ越して、新しい環境にも慣れ始めていたところ、義父から連絡が。義母が何回も同じ話を繰り返す、置いた物の場所をすぐに忘れてしまうということがひどくなり、病院に連れて行ったそうです。
病院では初期のアルツハイマー型認知症と診断されましたが、生活に影響するような症状は見られないので、服用薬で進行を緩やかに保っている状態だと聞きました。
それを聞きつけた遠方に嫁いだ夫の妹が帰省し、義母の様子を見に行ってくれました。1週間ほど滞在したらしいのですが、特に介護らしいことをする必要もなく、買い物に連れて行ったことなどを話してくれました。夫の妹はもう少し長く義母のもとにいるつもりでしたが、心配して帰ったのに「なんで帰ってきたの?」、「私を年寄り扱いしないで!」と怒られたそうです。
義母に会うのは勇気がいること
夫も仕事帰りに義母の様子を見に行っていましたが、追い返されるので喧嘩して帰ってくることも。そこからあまり実家に行かなくなってしまいました。一緒に暮らしている義父が普段から動くことが好きな人なので、義母とごはんを食べに行ったり旅行に連れ出したりしているため、少し安心していました。
私は車を運転しないのですが、最寄り駅からも離れた場所に夫の実家があるため、なかなか会いに行けません。それを理由にして、頑張れば行くことはできるのですが、あえて義母宅には行かないようにしていました。症状は軽いとはいっても、アルツハイマー型認知症の義母に会うのが少し怖かったのです。夫も「正月とかお盆に一緒に帰ればいいよ」と言ってくれました。
お正月に帰省して
新しい年を迎え、夫と子どもと家族で、久しぶりに義母に会いに行くことに。どのくらい病状が進んでいるのか聞いていなかったので、不安に思いながら玄関のドアを開け台所に向かうと、普段と変わらない様子で義母が料理をしていました。「あらー、よく帰ってきたね」と忙しそうな動きを止めて迎えてくれ、私は少し安心しました。
しかし、話は普通にできますが、料理をしようとすると冷蔵庫に入れていたお肉を何回も外に探しに行ったり、お寿司があるのに白米を炊こうとして義父に怒られています。お肉を焼こうとするとどうしたらよいのかわからなくなり、挙句の果てには何から手をつけるか混乱し、完全に義母の動きが止まってしまいました。
座り込んでしまった義母に代わり、私と娘でお肉を焼き、お寿司やおせちを並べて料理を完成させました。
まとめ
義母宅から帰宅後、アルツハイマー型認知症のことをいろいろネットで調べて、症状や段階に応じた付き合い方を考えました。子どもや夫にも情報を共有し、これからのことをよく話し合っています。症状が劇的に軽くなることはないと思うので、じょうずに向き合っていけたらと思っています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
文/陸えま子
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