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坂口健太郎さん演じる白川先生がミス!?『コウノドリ』第8話を振り返る

こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』の第6話、第7話では、ペルソナ総合医療センターのスタッフに焦点を当てたストーリーが繰り広げられました。第8話も、坂口健太郎さん演じる若手の新生児科医師、白川先生にスポットが当てられていましたね。さっそく振り返っていきましょう。

 

こんにちは!助産師のREIKOです。TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』の第6話、第7話では、ペルソナ総合医療センターのスタッフに焦点を当てたストーリーが繰り広げられました。第8話も、坂口健太郎さん演じる若手の新生児科医師、白川先生にスポットが当てられていましたね。さっそく振り返っていきましょう。
 

頼りになる……若手の新生児科医師・白川先生

第8話では、新生児仮死で生まれた赤ちゃんが、白川先生の迅速な処置で命を取り留めました。赤ちゃんはNICUに搬送され、白川先生により「新生児遷延性肺高血圧症」と診断され、「NO吸入療法」が開始されます。

 

赤ちゃんが生まれると、胎児循環から新生児循環に切り替わり、血液の流れやガス交換の方法などが変化します。新生児遷延性肺高血圧症は、胎児循環から新生児循環への切り替えがうまくおこなえないことで生じる病気で、NO療法が治療の第一選択となります。NO吸入療法は血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)ガスを吸入させ、肺高血圧を改善する治療法です。

 

NICUに入院している赤ちゃんというと、早産で生まれた小さな赤ちゃんをイメージする方も多いかもしれません。ですが、予定日近くに生まれた赤ちゃんでも重症新生児仮死や胎便吸引症候群、新生児遷延性肺高血圧症、哺乳力障害、黄疸など、さまざまな理由で入院しています。

 

白川先生の診断ミス!?

白川先生によって「NO吸入療法」が開始された赤ちゃん。ところが、本来ならすぐに治療の効果があらわれるはずが、赤ちゃんの状態は変わりません。看護師もほかの病気を疑わなくても大丈夫なのかと疑問を投げかけ、センター長である大森南朋さん演じる今橋先生に相談したほうがいいのではないかと提案します。ですが、白川先生はその必要はないと看護師の言葉に耳を貸しませんでした。

 

そんななか、白くなった肺が映し出された赤ちゃんのレントゲンが……。看護師は今橋先生に相談し、超音波検査をすることになりました。検査の結果は、「総肺静脈還流異常」でした。

 

新生児遷延性肺高血圧症を診断する際、”総肺静脈還流異常がないことを確認すること”が必須です。総肺静脈還流異常は先天性の心疾患のひとつですが、超音波検査で正常の心臓と見誤られやすい病気のひとつでもあります。

 

白川先生の過信が……

最初の診断で見落としがあったとしても、NO吸入療法を始めて効果が表れなかったとき、看護師が今橋先生への相談を提案したときと、何度か白川先生は立ち止まることができたのではないかと思います。

 

救命科に異動した松岡茉優さん演じる下屋先生のように、ある程度自分で判断し、行動できるようになるころ、自分の未熟さを痛感し、自信をなくしてしまう人もいれば、なんでもできるようになったと思ってしまう人もいます。

 

たしかに白川先生はてきぱきと処置をこなし、学会発表もして実績を重ねてきているので、自信を持つことは当然のことかもしれません。ですが白川先生の場合、その自信が万能感に変ってしまったのではないでしょうか。もちろん、すべての医師がというわけではありませんが、実際の現場もそういう若い医師が少なくありません。

 

今橋先生の「最後まで責任もって見届けなさい!」という言葉

結果的に診断ミスをしてしまった白川先生。赤ちゃんのお父さんに病状を説明しますが、医療ミスではないかと責められます。赤ちゃんは別の病院での手術が必要なため、救急車で搬送しなければならないのですが、白川先生はほかの医師に代わってもらおうとします。

 

すると今橋先生が「最後まで責任もって見届けなさい!君はミスを犯した。自分の過ちから逃げるんじゃない!」と白川先生に言います。第7話で「優秀な先生ほど周りの声が聞こえなくなるから気を付けてね」とアドバイスした今橋先生も、今の白川先生と同じころ、ミスを犯したことがあると言っていましたね。

 

医師もやはり人間ですから、ミスを犯すこともあるでしょう。ミスを犯したあと、どのように対処するかがその人の今後を左右するのではないでしょうか。だからこそ、今橋先生は白川先生に逃げるな!と強く言ったのだと思います。そして、今橋先生もミスを犯したときに逃げなかったからこそ、今の今橋先生があるのではないでしょうか。

 

よりよい未来を子どもたちに届けるために

そして、今回のできごとをきっかけに、白川先生はペルソナ総合医療センターを辞め、小児循環器科への異動を決意します。自分の過信が招いた今回のできごとは、白川先生にとって悔しく、まだまだ自分が未熟であるということに気付かせてくれたのではないかと思います。上ではなく先を目指す。そうすればよりよい未来を子どもたちに届けられるかもしれない。いつか最強の新生児科医になるから!という白川先生の言葉が印象的でした。

 

今回は、綾野剛さん演じるサクラとともにペルソナ総合医療センターの産科を支えてきた四宮先生にもさまざまなできごとが起こりましたね。大学からの研究に専念しないかという誘い、そして、四宮先生のお父さまの病気……。四宮先生はどのような選択をするのでしょうか。

 

 

TBS系金曜ドラマ『コウノドリ』第9話は四宮先生の話題に加えて、妊娠はするけれど、流産や死産を繰り返してしまう「不育症」がテーマでもあるようです。サクラは患者さんとどのように向き合うのでしょうか?そして四宮先生は!? 次回も見逃せませんね。

 


著者:助産師 REIKO

医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

 

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