晩婚からの高齢出産
実は私も、高齢出産の母の娘です。今では珍しくないですが、母が38歳、父が41歳という当時にしては遅めの出産でした。
幼いころ、友だちから「お母さん、おばあちゃんみたい」と言われとても嫌だった記憶があります。自分が大人になったら絶対早く結婚して、子どもは20代までに産むのだと強く誓ったのですが、人生は思うように進まないものです。
結婚したのは、晩婚と言われる年齢の夫が38歳で、私が35歳のときでした。高齢出産に入る年齢だったので、子どもは半ば諦めていましたが、気付けば4人の子に恵まれました。
自由に未練なし!子育てに全集中のはずが
独身生活が長かったため、それなりに自由を満喫していました。そのため、出産後に自分の時間がなくなることにあまり抵抗はなく、生活のすべてを子ども最優先で過ごしていました。この生活に楽しさと生きがいを感じていたのです。
しかしながら、育児は長期戦です。毎日子どもたちの食事の準備からお風呂に寝かしつけ、そして掃除に洗濯、さらには戦いごっこに追いかけごっこ……。
体は正直なもので毎日がヘトヘト、日々体力が削られる親とは反比例に、どんどん体力がついていく子どものお世話は想像以上に大変でした。
正直な娘の言葉に狼狽(ろうばい)
それでも髪を振り乱しながら、自分のことは二の次で育児に没頭していたある日。いつものようにママ大好きオーラを出しながら私に近づいてくる娘。
「ママが大好き。私ね、ママが遠くにいるとき、ママの眼鏡とお口のシワを目印に探すんだよ」と屈託のない笑顔で教えてくれました。
心を落ち着かせながら、「あはは〜そっかぁ」と笑顔で返しました。お口のシワはくっきり入ったほうれい線のことでした。子どもが生まれてからというもの、自分の肌のケアなどそっちのけで荒れ放題。体全体が乾燥して砂漠化し、シワが増えた自覚はたしかにありましたが、これまで見て見ぬふりをしていました。
まとめ
高齢出産の母として育児に没頭していた最中、娘から「ママの目印は口元のシワ」と笑顔で告げられました。幼いころに感じた母への老いを思い出し、かわいい子どもたちのためにもそろそろ自分のケアにも時間をかけて、できる限り若々しいママでありたいと思った出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
文/岩下カナコ
イラスト/ののぱ
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