義父のお祝い
70歳を迎える義父の古希(こき)祝いをわが家で開催することになりました。寿司やオードブル、ケーキは事前に予約していたため、当日はお吸い物でも作ろうと考えていた私。しかし、当日になり、絶対にあると思っていた麩のストックがないことが判明しました。
すぐさま予約の品々を取りに出かけていた夫に電話し、「お吸い物に入れるお麩も買ってきて!」とお願いしました。夫が「はいよ!」と答えたため、私は安心していたのですが……。
夫が帰ってこない!?
夫の外出中、6歳の長男と3歳の次男は義両親に庭で見てもらっていました。しかし、夫との電話を切ったころ、次男の機嫌が悪くなり私が相手をすることに。義両親が息子たちを見てくれている間にしようと思っていた、片付けやテーブルセッティング、飾りつけなどの準備は途中のまま……。
泣き叫んだり、モノを投げつけたりする次男をなだめようとするものの、手こずっていた私。夫に早く帰ってきてほしいとイライラし始めてしまいました。パーティーの開始予定時刻はとっくに過ぎています。
その麩じゃない…
いまどこにいるのか夫に聞こうとスマホを見ると、夫から複数回の着信と10枚ほどの麩の写真が……!麩の種類が多く、どれがいいのかわからなかったようです。急いで電話したところ、既に麩は購入済みでもうすぐ帰宅するところでした。
夫が買ってきた麩は茶色い焼き麩でした。間違いではないものの、私が期待していたのは、お正月やひな祭りなどのお祝いの食事によく使われる梅や桜の形をした花麩や手まり麩などのカラフルな麩。写真の中にもあったので、夫はお店で候補にはしていたようです。
単に「麩」という指示だけでは不十分だったと私は反省しました。確かに普段は茶色い麩を使うことが多かったので、夫はいつもの麩でいいのだろうと判断したのだと思います。今では夫に買い出しを頼むときには、買ってきてほしいものの写真を送るようにしています。
著者:鬼頭いちか
2017年と2020年生まれの男の子の母。パワフルな義両親と敷地内同居中。貿易関連の資格を多数保有。