なかなか熱が下がらなくて病院へ行った息子。ただの風邪かと思っていたら、「川崎病」の疑いと診断されたときの体験談をお伝えしたいと思います。
解熱剤を飲んでも熱が下がらない
季節は3月の初めくらいでした。5歳の息子が突然38度の発熱。翌朝、かかりつけの病院へ行くと風邪だと診断されて、いつものように抗生物質や解熱剤などが処方されました。
熱はそれから2日経っても下がらず、38〜39度を行ったりきたり。苦しそうだったので解熱剤を飲ませましたが、一向に熱は下がらず、それどころか40度を超えてしまうほど。次の解熱剤の服用まで6時間あけなくてはいけないので続けて飲ませることもできず、そのまま朝を迎えました。
川崎病の疑いがあると告げられる
再びかかりつけの病院へ行って、解熱剤が効かないことを伝えました。すると先生は息子の様子を診察して、「川崎病の疑いがあるので、今すぐ大きな病院へ行ってください」と言ったのです。
川崎病をみなさんはご存知でしょうか?私は正直、このときまで名前は聞いたことがあるけれど……という程度の知識で、くわしいことは知りませんでした。 先生に教えてもらった話によると、川崎病は赤ちゃんや乳幼児に多い病気で、「38度以上の発熱が5日以上続く」「首のリンパ節が腫れる」「赤い発疹が出る」「舌や唇が真っ赤になる」「目が充血する」「手や足が腫れる」といった症状のうち5つ以上が出るそう。
ただ、これらの症状が出そろうには数日かかることが多いため、すぐに診断をくだすことが難しいのだといいます。そして、川崎病の特徴のひとつとして「解熱剤が効かない」ということがあるそうで、息子が解熱剤を飲んでも熱が下がらない、さらに首のリンパ節が腫れている、目が充血している、といった症状から「川崎病の疑いがある」と考えたのです。
ただの風邪だと思っていた私はパニック。紹介状を持って、その足で総合病院へ向かいました。
検査の結果、その場で入院が決定
総合病院ではすぐに、血液検査、心電図検査、心臓の超音波検査などをしました。川崎病に対する知識がなかった私は、「熱が高いのにどうして心臓の検査?」と不思議に思っていました。 先生から説明されて初めて知ったのですが、川崎病で最も恐ろしいのは「合併症」だということ。川崎病は全身の血管に炎症が起きる病気なので、心臓の冠動脈がこぶ状に膨らむ「冠動脈瘤」ができて心筋梗塞を引き起こすことがあるというのです。最悪の場合は命を落とすこともあり、そのことを聞いて恐ろしくなりました。
そして、心臓の超音波検査をしていた先生が、息子の心臓の血管にほんの少しだけ気になるところがあると診断。慎重に経過を観察をする必要があると、そのまま入院することになりました。次回は、入院してからの治療や経過などについてお伝えしたいと思います。(TEXT:高橋じゅんこ)