「実は彼…」…え？交際していた彼の「裏の顔」をまさかの人物から知らされて

初めて彼の家に泊まりに行った日、バスルームに入った私は驚いてしまいました。シャンプーや洗顔など、女性物が多く並んでいたのです。「これは……誰の物なの？」と彼に聞くと、彼からは「元カノの物なんだけど、面倒で捨てていないんだ」「妹が泊まりにきたときに置いていったものなんだ」という言葉が。「本当かな……？」とモヤッとした気持ちを抱えつつも彼との交際は続きました。

デート終わりには彼の自宅に呼ばれることが多く、そのたびに体の関係もあり、私は愛されていると思っていたのですが……。

コロナ禍に入ったことでなかなか会えなくなり、メッセージも5日以上返ってこないことが多くなりました。彼と会うことができず、すごく不安な日々を過ごしていたとき、私のスマホに非通知で着信が。

「何だろう……」と電話を取ると女の人の声で、「〇〇くん（彼の名前）ともう会わないでください」と言われて……。

突然すぎて理解が追い付かず、また、いきなり「会わないでくれ」と言われても納得できなくて詳しく話を聞くと、電話をかけてきた女性は、なんと彼の彼女だと言います。そして、彼はいわゆる「裏垢男子」というやつで、複数の女性と関係を持ち、そのことをSNSに赤裸々に投稿しているのだと言うのです。

最初は、彼女と言う方からの言葉をそう簡単に信じることができませんでした。しかし、彼女の丁寧な説明を聞いているうちに、私の中で妙に納得してしまうところがあり……。私は「彼の彼女」ではなく、「彼の都合のいい女のうちのひとり」だったのだと、気づいてしまったのです。

あまりのショックに、私は彼と離れることを決めました。彼女さんは、私のような女性たちに片っ端から連絡をしているとのことで、自分も彼とは別れるとのこと。彼の本性を見抜けなかった自分に嫌気が差しますが、家に女物が多くあった時点で「彼には何かあるのかも」と疑い、怪しさを感じた時点で離れるべきだったと反省しています。

著者／渋谷菜美
イラスト／ほや助