2018年4月から生命保険の保険料が下がるような報道がいくつかありましたが、2018年に入り、各保険会社が具体的な内容について発表しはじめています。この値下げは、保険料を計算する前提となる平均寿命・平均余命などを反映した生命表の改定によるものです。
医療の進歩などで、寿命が延びた影響から定期保険(一定期間内の死亡保障)は値下げになる傾向にありますが、医療保険・がん保険は保険金を支払う頻度が増えることを見越して値上げになる保険もあります。現在、加入や見直しを検討している人は以下のポイントを参考になさってください。
1.現在加入している保険の保険料は変更されません
生命保険料は原則、加入時に設定された保険料が継続されますので、加入している生命保険を変更しない限り、保険料は変更されません。新たに加入する保険または、更新を迎える保険が今回の改定の対象となります。
2.保険料の値上げ・値下げは各保険会社・各商品によって異なります
おおまかな傾向としては、上記にも述べたように寿命が延びた前提ですので、定期保険は値下げ、医療保険・がん保険は値上げとなりますが、実際には各保険会社や各商品によって設定が異なります。
また、年齢や性別によって値上げと値下げが異なることもありますので、生命保険の加入や切り替えを検討している際には、3月中の加入と4月以降の加入で保険料がどの程度異なるか確認をするようにしましょう。ホームページでは概要だけしか載っていないケースもありますので、具体的に検討している人は担当者に確認するようにしましょう。
3.現在保険の加入や切り替えを検討している人は複数の保険を比較を
保険会社によっては、本来であれば値上げをしたい保険であっても、販売戦略の観点などから値上げをしないものもあります。
たとえば、3月時点での比較はある保険の保険料が安かったものの、4月以降の比較では別の保険料が安いというケースも考えられます。そのため、現在保険の加入や切り替えを検討している人は、保険の比較だけでなく、3月中と4月以降の保険料も併せて比較することをおすすめします。
4.保険の加入や切り替えを保険料だけでは決めないように
保険の加入・見直しの相談をお受けすると、保険料をとにかく下げたいといったご相談をお受けすることがあります。保険料が安いことは加入にあたって大切な要素であることは間違いないのですが、保障の内容(どのようなときに、どのように支払われるか)も重要な事項です。
たとえば、医療保険を比較しても、A保険は月額2,500円、B保険は月額2,800円とした場合、A保険のほうが保険料は安くてよさそうですが、B保険は三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)の入院時には日数制限なく入院給付金が支払われる機能がついている場合、こちらを選んだほうが三大疾病で入院をした場合には役に立つ可能性が高くなります。
どちらを選ぶかは人それぞれですが、保険料だけでなく内容を確認したうえで保険商品を選ぶようにするといいでしょう。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。