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てんかん、うつなどの持病があるママが気を付けたいこと【助産師に相談】

「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。ママさんたちのリアルな悩みに、助産師さんはどのように答えてくれているのでしょうか。

病院で診察を受ける女性のイメージ

 

「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。ママさんたちのリアルな悩みに、助産師さんはどのように答えてくれているのでしょうか。

 

持病があるママが妊娠中に気を付けたいこと

もう何年も持病と闘っているという女性は多いと思います。持病があると、いずれは妊娠・出産・育児を経験したいと考えるものの、病気が原因で諦めてしまったり、もしくは計画していない妊娠が判明して戸惑ってしまったりするかもしれませんね。

 

しかし、持病を持つ女性が出産できないということはありません。主治医(持病の診療をおこなっている医師と産婦人科医の双方)としっかり連携していれば、妊娠も出産も育児も、不可能ではありません。ただし、赤ちゃんのために気を付けなければならないことはありますので、医師と一緒にあらかじめしっかりと方針をたてておきましょう。

 

Q. 薬を飲んでいる場合の授乳について

てんかん、うつ、パニック障がいなどと診断され続けて10年。未だに薬がないと生活ができない状態です。でも、同じような症状の方でも子どもを育てている方に出会い、諦めかけていた妊娠出産をすることに決め、現在36週と6日まできました。

 

母乳と育児用ミルクで子育てする予定ですが、夜と昼間に飲む抗鬱薬や、発作止め、睡眠導入剤などを飲むため、夜起きて育児ミルクをあげたりできるのかとても不安です。病院の助産師さんの前では、なんて言われるか、怒られるかなとか考えてしまい、こわくて、あまり相談ができません。

 

旦那は仕事に家事……かなり疲れているように感じます。頼る人がいないので不安です。どうかアドバイスください。

 

在本祐子助産師からの回答

まずお薬と授乳に関してですが、精神的なお薬の種類によっては、やはり授乳を控えざるを得ないものもあります。ご不安の中、なかなか聞きづらい状況のようですが、お薬の継続は質問者さんが健康に育児を継続するためにとても大切なことです。お薬をやめて、母乳をやっていても、発作が起きてしまう可能性があります。お薬の種類や用法用量によって、産後の育児方針を決めていくことになりますので、産科と心療医師、双方の意見を聞いていきましょう。

 

助産師が怒ることはないと思いますが、相談しにくいようでしたら、直接医師に確認してもかまわないと思います。

 


※参照元:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー〈 https://baby-calendar.jp/talk/topic/detail/25191

 

 

病気別・注意しなければならないこと

参考までに、代表的な病気への注意についてお伝えします。現在それらの治療をうけている、または疑いのある方が妊娠・出産をするにはどんな危険性があって、どんな治療が必要なのかしっかりと知っておくことが大切です。ただし、そのまま自己解決はせずに、妊娠を希望している段階から必ず医師に相談するようにしましょう。妊娠にあとから気付いた場合も同様に、医師からの指示を受けるようにしてくださいね。

 

・心臓の病気
心疾患の程度によって、妊娠・出産が可能かどうかが専門的に判断されます。妊娠中は、たとえ健康な妊婦でも動悸や息切れがしやすくなります。特に妊娠後期にはせり出したおなかに心臓が圧迫され、血液の循環が悪くなるため、胎児に酸素や栄養が十分に行き渡らず早産や死産になりやすいというリスクがあります。出産は負担を避けるために無痛分娩で行われ、鉗子や吸引が利用されることが多いでしょう。

 
・腎臓の障害
腎臓に障害がある場合、胎児に栄養と酸素が十分供給されにくくなるため、胎児の発達遅延、流産、早産、胎児死亡に結びつくことがあります。また、妊娠高血圧症候群になる確率も高くなります。妊娠中は塩分、タンパク質の摂り過ぎに注意し、低カロリーの食事に努めます。腎盂腎炎は抗生物質でしっかり治してから妊娠に臨みます。

 

・糖尿病
妊娠前から糖尿病がある場合、羊水過多や早産、胎児死亡が起こりやすくなります。生まれた後には、赤ちゃんに低血糖や呼吸障害が見られることがあります。また、軽症の場合には巨大児になりやすく、重症の場合には未熟児になりやすい傾向があります。妊娠中は食事療法を徹底し、摂取カロリーをコントロールします。場合によっては入院管理も必要になります。

 

 ・甲状腺の異常
甲状腺に異常があると流早産が起こりやすく、また妊娠高血圧症候群も起こりやすくなります。また、甲状腺機能亢進症の治療に使う抗甲状腺剤を多量に使用した場合、胎児の発育不全や胎児死亡が起こる可能性があります。そのため妊娠前から妊娠中は頻繁に甲状腺ホルモンを測定し、コントロールしていくことが大切です。

 

 ・高血圧、低血圧
高血圧の持病がある妊婦は妊娠高血圧症候群になりやすく、早産や死産、未熟児出産のリスクが高まります。降圧剤の内服して治療しますが、重症の場合には妊娠継続が難しい場合もあります。家庭でも定期的に血圧を測って、塩分、タンパク質の低下に努め、またカロリーを制限する必要があります。低血圧の場合はタンパク質や鉄分の摂取を心掛け、血圧の循環をよくするよう努めます。

 

 ・アレルギー
妊娠中は体調が不安定なため、いつもよりアレルギーの症状が出やすくなる場合があります。そのため、なるべくその要因を排除するように努めましょう。親のアレルギー体質は子どもに遺伝しやすいですが、100%ではありません。食物アレルギーで明らかなアレルギー因子が分かっている場合には、妊娠中の摂取や調理方法に気を付けますが、栄養不足になる可能性もあるため医師の指導の元でコントロールする必要があります。

 

 ・ぜんそく
妊娠中に発作が起きたときに、一般的なぜんそくの治療を行っても胎児に影響することはまずありません。ただし、ぜんそくが起こると体力を消耗しやすいので、風邪などをきっかけに発作が起こらないように気を付けます。また、精神的なストレスも誘因になりやすいためなるべく大らかな気持ちで過ごすようにしましょう。
 
・椎間板ヘルニア
妊娠の後半になっておなかがせり出してくると、ヘルニアの症状が悪化しやすくなります。そのため、コルセットを用いたり痛みを感じたらすぐに横になったりして腰痛を防ぐことが大切です。それでも激痛が治まらない場合には、鎮痛剤内服や硬膜外ブロック注射を使用します。立ち仕事などで無理をしないこと、姿勢をまっすぐ保つように意識して予防に努めることが大切です。

 

 ・てんかん
妊娠初期からてんかんの治療薬を服用していると、胎児の奇形を引き起こす可能性があります。そのため、妊娠前から主治医とよく相談して薬の使用をコントロールしていく必要があります。妊娠中はストレスによって発作を誘発しないよう、リラックスして過ごすようにします。また、出産は十分な管理の元で行えばまず問題ありません。

 

・B型肝炎、C型肝炎
B型肝炎、C型肝炎は、胎盤を通じて、また出産時に産道を通じて赤ちゃんに感染しやすい感染症です。そのため、産後はすぐに赤ちゃんの血液検査を受け、また定期健診を受けながら感染予防の注射をしてフォローしていきます。

 

 ・心の病気
最近増えているのが、心の病気を持つ女性の妊娠です。妊娠中は薬の量や種類が制限されるため、精神科の主治医とよく相談した上で妊娠できる時期を決める必要があります。また、ホルモンバランスの影響により妊娠中や産後、出産後も育児不安などによって精神状態が不安定になりやすくなります。 家族の協力を得てストレスをためない生活を心掛ける必要があります。

 


※引用元: 基礎知識(妊娠前)「妊娠前に受けておくベき婦人科以外の治療」〈 https://baby-calendar.jp/knowledge/prepregnancy/26

 


なにかと不安は大きいとは思いますが、注意点に気を付けていれば、赤ちゃんに危険がおよぶことはほぼないでしょう。とはいえ、不測の事態に備えて主治医や産婦人科医とこまめに話し合い、いつでもフォローしてもらえる態勢を作っておくことは大切です。そうして心配事をなるべく減らして、毎日をリラックスした気持ちで過ごしてくださいね。

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