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自分の赤ちゃんに口唇口蓋裂が遺伝しないか不安です【助産師に相談】

「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回の相談は、ご自身が過去に苦しめられた先天異常が赤ちゃんに遺伝するのではないか、と不安を抱えるママさんから。この「口唇口蓋裂」という疾患、決して人ごとではないのです。

赤ちゃんの口元のイメージ

 

「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回の相談は、ご自身が過去に苦しめられた先天異常が赤ちゃんに遺伝するのではないか、と不安を抱えるママさんから。この「口唇口蓋裂」という疾患、決して人ごとではないのです。

 

Q. 自分の赤ちゃんに口唇口蓋裂が遺伝しないか不安です

現在、妊娠6週目です。私は片側の口唇口蓋裂で生まれてきました。そのため、赤ちゃんに影響が出ないか不安でたまりません。年に1回通っている形成外科の先生には、「遺伝ではないよ。ただなりやすいというだけ。ストレスをかけず、ゆったりしていれば大丈夫だよ」と言われ、産婦人科の先生にも、「遺伝ではないから大丈夫だよ」と言われています。旦那にもリスクがあるという話や悩みを伝えてはいますが、「元気な子が生まれてくれればいいよ!」とやさしく言ってくれます。

 

気にしないようにしたいのですが、やはり自分がつらい経験をしているからこそ、子どもに同じ思いをさせたくなく、どうしても頭をよぎってしまいます。もちろん、口唇口蓋裂でも幸せに育つように精一杯努めよう! と思っていますが、不安が大きいのか、心が落ち着きません。風疹の予防接種もしましたし、葉酸サプリも妊娠3カ月前から飲んでいて、食事にも気を付けているつもりです。目や口などが形成される時期なので、余計に神経質になってきているので話を聞いていただきたくて投稿させていただきました。

 

宮川めぐみ助産師からの回答

ご自身がつらい思いをされてきたことから、赤ちゃんには同じような思いをさせたくないという気持ちが強いのですね。それはお母さんとして、当たり前の反応だと思いますし、赤ちゃんもそれだけ思ってくれていることをうれしく思っていると思いますよ。また、妊娠前から赤ちゃんのことを思っていろいろと努力をされてきていることも、赤ちゃんにもちゃんと伝わっていると思いますよ。

 

口唇口蓋裂の不安は、生まれてきてお顔を見るまで拭えないかもしれませんが、たくさん赤ちゃんに声をかけて、質問者さんならではのリラックスの方法でこれからの妊娠期間を過ごしていただければと思います。大きく深呼吸をしてみてくださいね。

 


※参照元:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー〈 https://baby-calendar.jp/talk/topic/detail/25384

 

 

口唇口蓋裂ってなに?

口唇口蓋裂とは、くちびるや上あごに裂け目が入る先天性異常のことです。“先天性”=つまり、生まれつきです。現在は広く認知されていて専門の医療センターが設立されたりしています。しかし、なかにはわが子ながらその姿を認められず育児放棄してしまう人もいるそうで、昨年、その様子を小児科医が書いた新聞のコラムが大きな反響を呼びました。

 

日本国内では約500人に1人が口唇口蓋裂で生まれると言われていますが、きっかけや原因は諸説あるものの不明とされ、今も多くの方がこの症状について悩んでいます。今回の質問者さんも、ご自身が口唇口蓋裂で生まれたため、おなかの中にいる赤ちゃんに遺伝してしまうのではないかと心配されています。

 

口唇口蓋裂は遺伝する?

口唇口蓋裂の遺伝に関する見解は下記のとおりです。

 

「原因としては、種々の環境因子と遺伝的要因が関与した多因子遺伝説が有力である。同胞の1人が患者の場合、次に生まれる子どもの罹患率は2~3%、患者の親から生まれる子どもは4〜5%とされる」

 

 


明確なエビデンスがあるわけではないそうですが、おおむねこの説が有力とされています。しかし、口唇口蓋裂だった親から生まれてくる子どもが必ずそうなるのかというと、それは違います。ひるがえして言えば、両親が健常で生まれていても、その子どもが口唇口蓋裂になるケースもあるのです。決して他人事ではない、身近な問題なんですね。


※出典:中島龍夫編;よくわかる子どものための形成外科,永井書店,大阪,2005

 

 

口唇口蓋裂の治療法

口唇口蓋裂で生まれてきた赤ちゃんは、だいたい5カ月くらいから治療をはじめます。実際に口唇口蓋裂のお子さんがいるママライターの石原みどりさんが、治療について細かく教えてくれていました。

 

「口唇口蓋裂の治療として、数回手術を受ける必要があります。全身麻酔をする関係もあり、手術の時期は体重が基準となっているそうです。娘の場合、生後5カ月くらいで唇を結合し、鼻の形を整える手術を受け、1歳ごろに口蓋を閉じる手術を受けました。娘には必要なかったのですが、入学前に唇の形を整える手術をする場合があるそうです。また、小学校・中学年ごろ、歯茎の裂部に腰骨を埋め込む手術が必要になる場合もあるのだそうです」
 


※引用元: ニュース(医療)「口唇口蓋裂ってなに?治るの?先天異常を持った娘の症状と治療【前編】」〈 https://baby-calendar.jp/smilenews/detail/3632/  〉

 

 

ほかにも、ある程度大きくなってから歯科矯正や発音矯正のためのことば教室などにも通ったと石原さんの記事には書かれていました。まだ小さいうちからいろいろな検査や手術を受けてかわいそう、と思うかもしれませんが、そのままにしておくと授乳や食事がうまくできず十分な栄養が摂れなかったり、その後の発語にも大きな影響を与えます。そうなることで、ご両親も気がかりだとは思いますが、なにより成長したときに本人がいちばんつらい思いをすることになります。それに、適切な治療を早期からおこなえば、ほぼ痕がわからないくらいになるそうです。

 


「うちの子に限って絶対にない」とは言い切れないことだからこそ、現在妊娠中の方や、これからお子さんを持つ予定のある方は、この疾患について十分知って理解しておきましょう。とはいえ、生まれてきてくれた赤ちゃんはどんな姿でも世界一かわいいものです。出産の前からあまり深く思い詰めすぎず、赤ちゃんと会えるのを楽しみに思う純粋な気持ちを大切に育てていってくださいね。

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