ベビーカレンダーでは、全国の出産経験を持つ女性約870名を対象に、現代の『安産祈願(帯祝い)』について調査しました。妊娠5カ月の戌(いぬ)の日に神社仏閣へ赴き、ご祈祷をうけて腹帯を巻くという風習は、現在も守られているのでしょうか。
現代における『安産祈願(帯祝い)』の常識とは? 約870人に実態調査
『安産祈願(帯祝い)』とは、妊娠5カ月の戌(いぬ)の日に神社仏閣へ赴き、ご祈祷をうけて腹帯を巻く儀式をすることです。もともとは皇室や武家が行っていた儀式で、一般に広まったのは江戸時代からと言われています。そこから数えると、なんと500年以上もこの風習は続いているということです。古くから伝わるものは時代とともに少しずつ形を変えたり、風化していってしまったりするものですが、この安産祈願に関してはどうでしょうか?
安産祈願という風習を残していきたいと思いますか?
まず最初に『安産祈願(帯祝い)』について、現代のママたちが昔ながらの風習についてどう思っているかアンケートをとってみたところ、なんと全体の8割以上の人が、この風習を“これからも残していきたい”と回答しました。
夫婦や家庭の在り方は年々変化しているものの、内容や形が変わってもぜひ残したいと考える人が多いようです。それでは、ここから具体的に昔と今ではどのように形が変わっているのかを見ていきます。
安産祈願にはいつ行きましたか?
今は参拝やご祈祷をまとめて『安産祈願』と言いますが、もとは『帯祝い』という出産の無事を願う行事が発祥で、古くから妊娠5カ月の戌の日に行われてきました。5カ月目に入ると胎児が順調に発育して流産の心配が少なくなることと、お産が軽く子だくさんの犬にあやかって戌の日に神社仏閣へ参拝したとされています。
実際にどのくらいの人が今も参拝に訪れているのかを調べると、全体の88.2%、約9割の妊婦さんが参拝しているという結果になりました。また、そのうちの約6割が風習をならって、妊娠5カ月の戌の日に合わせて行っているそうです。
腹帯はいつ巻きましたか?
それでは、帯祝いの儀式についてはどうでしょうか。帯祝いの本来の形とは、紅白2本の絹の腹帯と普段使い用に白木綿の腹帯が妻の実家から贈られ、その帯を神社仏閣にてお祓いしてもらった後、自宅で「着帯の儀」を行うというものです。
こちらは「巻かなかった」という人が多い結果になりました。本来の形に近いのは5位の“持参、または現地で入手し後日巻く”ですが、13.1%と全体の4分の1にも満たしていません。ちなみに、風習に忠実に行ったとされる回答は0件でした。
以上、現代の『安産祈願(帯祝い)』に関する調査結果をご紹介しました。昔と変わらず受け継がれている部分もあれば、やはり時代とともに変化していった部分もあるようですね。次回は、一番身近な安産祈願とも言える安産の御守りについての調査結果をお伝えします。
<帯祝いに関する参考文献>
『こよみの神宮館が残さず答える 冠婚葬祭のすべて』 株式会社神宮館, 2013年, P.36-37
『赤ちゃん・子どものお祝いごと』 成美堂出版, 2010年, P8-11
<調査概要>
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「ベビーカレンダー アプリ」によるアンケートにご応募のあった産院・クリニック出産経験者、調査期間:2018年4月21日〜4月23日、有効回答数:868